[世界戦試合後会見]2024.12.15
IBF世界バンタム級王者の西田凌佑のV1戦! 大阪が大熱狂!

IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級王者の西田凌佑(28=六島)が15日、大阪・住吉スポーツセンターで開催された「U-NEXT BOXING」のメインイベントで、同級14位のアヌチャイ・ドーンスア(28=タイ)を迎えて初防衛戦に臨んだ。
バンタム級世界チャンピオンとして、鬼門の初防衛戦に臨んだ西田のパフォーマンスに注目が集まった。
序盤、サウスポー西田は距離を保ちながらジャブを軸にペースを掌握。4回、アヌチャイは独特のタイミングからの右アッパー、右フックで反撃。5回、西田は右フックを合わせてダウンを奪うと、左ボディストレートを突き刺しゲームメークした。アヌチャイは強引に打って出て気持ちの強さを見せる。いつもより被弾した西田だが、7回にカウンターの左ボディアッパーで2度目のダウンを演出。アヌチャイに10カウントを聞かせた。
見事なKO防衛を果たした西田だが、内容には満足していなかった。「パンチをもらい過ぎたし、攻撃が雑だった。倒したが内容は悪い」と首を横に振ると、「言い訳のようになってしまうのですが」と前置きした上で、右あばら骨を痛めた影響でスパーリングを3週間前に切り上げたことを明かした。「スパーリングができなくて、試合前は不安だった」。
3週間前に右あばらを痛めた
それでも「最後に決めたカウンターの左ボディアッパーは、武市さん(武市晃輔チーフトレーナー)と練習していたパンチ」と手応えも感じたようだ。
「最後に決めたパンチは練習していた」
会見に同席した六島ジムの枝川孝会長は、「いつもの西田じゃなかったね。インターバル中も会話が通じなくて、5ラウンドからようやくできるようになった。心のコンディションが良くなかった」と話したが、「練習(スパーリング)の時より左ボディストレートがよく当たっていた」と、試合前から取り組んできたパンチについて及第点を与えた。
武市トレーナーは「U-NEXT BOXINGのメインイベントで、良い試合をしないといけないというプレッシャーやこれまで1度しかKO勝ちしていないコンプレックスで(良い試合をしようと)考えすぎていた。当日、西田がまったく動けなかった時のパターンも想定していた。相手は思っていた以上に変則だったが、それは西田の距離が遠いから、そうせざるを得なかったんだと思う」と、試合全体を冷静に振り返った。
毎回、減量苦がつきまとう西田だが、減量に関しては前回よりスムーズに落ちたようで「バンタム級でもう少し戦えると思う」と語った。
今年5月に世界チャンピオンになり12月に初防衛を果たし、忘れられない年になった。「世界チャンピオンのまま年を過ごすことができる」。会見の最後にホッとした表情を浮かべて勝利の味を噛み締めた。
試合後、汗を拭いながらアヌチャイは「ニシダはハンドスピードがあって、距離も遠くて巧かった」と評価すると、「最後にもらった左ボディアッパーはすごく効いた」と感服の言葉を口にした。
現在、日本人が王者を締めるバンタム級の中で誰が1番強いと思うかと聞かれると「みんな強いよ。ただ、ニシダは統一王者になるチャンスもあるのではないか」と語った。
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