■世界と言えば、吉野修一郎選手(三迫)がシャクール・スティーブンソン(米)とのビッグマッチに臨みます。
宇津木 めちゃくちゃ刺激を受けます。すごいですよね!吉野さんもやっとチャンスを掴んだじゃないですか。吉野さんに勝ってほしいですね。時間はかかりましたが、世界ランキングが1桁になって、ああいうビッグネームと戦えるのは尊敬します。中谷さん(中谷正義=帝拳)もそうですが、結果を残せば上に行けるということを証明しているので、勝ち続けていきたい。
■昨年もチャンピオンカーニバルに出場して、敢闘賞を獲りました。今年はMVPを狙いますか?
宇津木 獲れたらいいんですけどね。自然とついてくるものだと思います。月間賞などもいただいてすごくうれしかったです。狙っているわけではないのですが、評価していただいているのは、すごくうれしいですし、チャンピオンカーニバルでも注目してもらっています。上手くいけば年間賞も呼ばれると思いますし。
■そこは気になりますか?
宇津木 気になりますよ!新鋭賞にノミネートされましたが、武居君(武居由樹=大橋)が獲りましたね。「武居君だろうなぁ」と思っていました(笑)。あのような場所に行けるのは、選手にとってモチベーションになるので、行ってみたいですね。人前に出るのは苦手ですが(笑)。
■いつも午前からの練習なのでしょうか?
宇津木 そうですね。小林さんがいる時間に来ています。スパーリングもこの時間に合わせてもらっています。出稽古に行く時もありますよ。
■出稽古もあるのですね。
宇津木 これからですね。今度は、三迫ジムで佐川さん(佐川遼)とスパーリングをします。また、違う場所でやると経験になるので良いですね。
相手の心をへし折る
■では、最後に試合への意気込みをお願いします。
宇津木 ディフェンスを意識して、パンチをもらわずに仲里選手の気持ちをへし折る。「もうやりたくない」と思わせて勝ちます。ボクサーはKOよりも、やりたくないって思わせた方が格好いいんで。棄権勝ちをしたい。(棄権勝ちは)心が折れるか、陣営が止めようって時なので。それが理想です。内山さん(内山高志)やロマチェンコのように、コツコツと相手が嫌がることをして倒すか棄権させます。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
宇津木は、まさにチャンピオンの鏡のような選手だ。ベルトを巻いても満足することなく、常に上を目指しながら挑戦者にとって高い壁となる。「アマチュア時代にたくさん負けたので、プロでは負けたくない」。宇津木から強い気持ちを感じた。考えに考え抜いたシナリオを元に、日本4大タイトルマッチの大トリを飾るつもりだ。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・KIKO>