ワンツーが打てるようになった武居由樹

　公開練習前の会見中も終始リラックスした様子の武居は、「減量もしっかり、コツコツできている。コンディションもいつも通りいい。あと3週間、しっかり調整したい」と気負いも感じさせなかった。それでも、「東京ドームという大舞台、チャンピオンのマロニーも強いので、危機感を持ちながら練習している。スパーリングは、今までで一番やっている。試合が近づくにつれて、雑念を消していってる」と、徐々にギアをアップしている。

　世界挑戦の発表が行われた3月8日の会見以降、大きな成長を感じたとのことで、「あの会見の時のままでは勝てなかった」と切り出し、「本番に出ないと意味がない」としながらも、「出たことのない技が出たりして、自分でも驚いている」と、会見に同席した八重樫東トレーナーの顔色を伺った。

「ワンツーが打てるようになった」

　記者からの追い取材に「ようやくワンツーが打てるようになった」と答えた八重樫トレーナーだが、「引き出しが増えた分だけ、勝率は上がったが、(リングに上がるまでは)不利(という気持ち)でいたい」と、油断することがないよう、舵取りをしていることを明かした。

　会見に同席した大橋秀行会長は、武居の東京ドーム決戦が行われる5月6日が、格闘家としての武居の育ての親でもある、パワーオブドリームの古川誠一会長の誕生日に当たることに触れ、「勝ってリングに上がってもらって、喜んでもらいたい」と、熱い気持ちを伝えた。

　武居の性格を熟知する大橋会長らしく、「普通の選手ならば、世界初挑戦が東京ドームだと萎縮するかもしれないが、本番に強い武居は、必ずプラスにする。楽しみにしている」と発破を掛けた。

　K-1からボクシングに転向してから、8戦全KO勝利中の武居は、KOへのこだわりも強いとあって、「見てる人に喜んで欲しいし、長いラウンドやりたくないので、K-1時代から倒したいと思ってやってる」とキッパリ答えた。

　この日は、シャドー2ラウンドの後に、サンドバッグも2ラウンド叩いて、軽やかな動きを披露。会見でも挙がったワンツーの左ストレートにも力を込めた。