石田匠と加納陸が世界前哨戦で魅せた!

　WBA(世界ボクシング協会)バンタム級1位の石田匠(32=井岡)が10日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第2競技場)で開催された「南栄商事株式会社 株式会社ソニックブームPRESENTS 三田から世界へ23×最強マッチ2」のメインイベントに出場。

　バンタム級8回戦で、フィリピン・スーパーバンタム級5位のジェームス・パカリング(比国)と対戦した。

　石田が圧巻の強さを見せた。得意のジャブから組み立てると返しの右をバックステップで回避。2回、石田はジャブからワンツー左ボディでペースを握ると、3回に左ボディを突き刺し、最後は連打でフィニッシュした。

　試合後に囲み取材に応じた石田は「上(顔面)ではなかなか倒れないので、流れの中でボディブローを入れていく作戦だった。今回は練習からよく体が動いた。負けられないプレッシャーはあったが、ここで負けているようでは世界チャンピオンになれないので、しっかりと戦った」と、完勝に納得の表情を浮かべた。

　指名挑戦者として、WBA王者の井上拓真(27=大橋)対同級6位のジェルウイン・アンカハス(31=比)の勝者に挑戦する。「どっちが勝ってもいいが、個人的には知名度がある井上選手に勝ってほしい」と井上との対戦を熱望すると、「今すぐにやっても勝てる。自信しかない」と言葉に力を込めた。

次戦は世界戦

　この日、親交が深いミルコ・デムーロ騎手(44)とJリーグ・ヴィッセル神戸の齊藤未月選手(24)が応援に駆け付けて、試合後は集合写真を撮った。

　WBO(世界ボクシング機構)フライ級1位の加納陸(26=大成)は、セミファイナル51.5kg契約8回戦で、コムサン・カエウルエアン(タイ)を迎えた。初回からサウスポー加納がガードを高く上げて、ボディジャブからワンツーでペースを握ると、2回に左オーバーハンドでダウンを演出。コムサンのダメージが深く、レフェリーは試合をストップした。

　世界前哨戦をクリアした加納は「今日はパンチをもらわないことを意識した。ダウンを奪った左は手応えがあった。久しぶりに倒すことができて良かった」と笑顔を見せた。

　世界初挑戦から7年以上が経過。来年は、いよいよ世界の舞台に立つことになりそうだ。「そろそろ世界戦がしたい。時期としても今がいいと思う。(世界戦が)決まったら全力で獲りにいく」と目を輝かせた。