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[公開練習]2024.1.15

ダラキアン「ベルトをウクライナに持ち帰る」

 WBA(世界ボクシング協会)フライ級王者のアルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)が15日、都内のジムで報道陣に練習を公開した。

 7度目の防衛戦に臨むダラキアンは、1月23日(水)、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第1競技場)で開催される「Prime Video Presents Live Boxing 第6弾」で、同級1位のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)を迎え撃つ。
初来日
 会見に臨んだダラキアンは、「計画通りにコンディション調整が進んでいる。時差も解消しつつあり、体調は悪くない」と静かに語った。2日半かけて来日し疲れは残っているようだが、コンディションは良好なようだ。
コンディションは良好
 母国ウクライナは戦時下の中、来日した。「大変辛い状況だが、スポーツに関しては環境を整えてくれて、練習はできている」。しかし、スパーリングパートナーを確保するのが厳しいようで、「街中で銃声が聞こえるような状況で、ウクライナに来たいと言ってくれる選手は少ない」。メキシコ人選手1名とのスパーリングで調整した。

スパーリングパートナーは1人

 「毎日ミサイルやドローンが飛んできて、いつ亡くなってもおかしくない状況を突きつけられた。キーウの練習場もサイレンが鳴るような環境で、ギリギリの中で生きている。国外に出ても国のことが心配で、ストレスを抱えながら過ごしている」と、険しい表情を見せた。
左:ディミトリ―・エリセエフ・サブプロモーター
右:ユーリ・ルーバンプロモーター
 ディミトリ―・エリセエフ・サブプロモーターは「試合が延期になったこともあり、挑戦者のことは半年間、分析してきた。(阿久井は)チャレンジャーにふさわしい選手。フルラウンド戦うことも想定している。どんな展開になっても対応できる」と王座防衛に太鼓判を押した。

 ダラキアンも「とても良い選手だと思っている。世界王者にふさわしい試合をしたいと思っているし、これまでの経験で挑戦者は全力で向かってくるので、それを跳ね返すだけの力を持たないといけない。勝ってチャンピオンベルトを持ち帰る」と勝利に自信を示した。
練習は5分弱
 会見が終わり写真撮影に入る前に、ユーリ・ルーバンプロモーターが「最後に一ついいでしょうか」と立ち上がった。ユーリプロモーターは「今回の試合に関して大変ご尽力をいただいた本田会長に、心より感謝を申し上げたい。外国人選手でも敬意を持って接してくれて、大変うれしく思う。温かい歓迎を肌で感じている。日本の皆さんにお礼したい」と感謝の気持ちを言葉にした。
「ベストを尽くして勝つ」
 練習では、縄跳び、シャドーボクシング、スティックミット、ミット打ちを披露。5分弱動くと「アリガトウ!」と言って切り上げた。ミット打ちではコンパクトかつ正確なパンチを見せて、打ったらすぐに元の構えに戻るなど、基本に忠実だった。

試合が行われる1月23日は、母マリーナさんの58歳の誕生日だ。「母にベルトを届けたい」。母国では13歳、11歳、8歳の娘と2歳の息子が帰りを待っている。「ずっとジムで合宿を張っていて、家に帰っていないので、早く会いたい」と子煩悩な一面を見せた。

 ダラキアンは「お互いにベストを尽くして、良い試合をしましょう」と阿久井に好ファイトを呼びかけると、「その上で一番強い者が勝つ」とチャンピオンのプライドを示した。

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