ユーリ阿久井政悟「道を切り拓く」

　WBA(世界ボクシング協会)フライ級1位のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が27日、都内のホテルで開かれた記者会見に出席し、世界初挑戦に向けた意気込みを語った。

　阿久井は、11月15日(水)、両国国技館で開催される「Prime Video Presents Live Boxing 第6弾」のセミファイナルで、王者のアルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)に挑む。

　念願の世界戦の舞台に上がる岡山の剛拳は、「ダラキアン選手は、ウクライナが大変な状況の中、日本に来ていただけるということで、感謝している。期待に応えられるようベストを尽くす」と試合ができることに感謝した。

　今回のイベントは、ウクライナ支援チャリティーマッチとして、ウクライナ人道支援に貢献する活動を行う予定であることも発表された。

　ダラキアンは、2018年2月にタイトルを獲得し、ここまで6度の防衛に成功している安定王者だ。相手の印象を聞かれた阿久井は「アマチュア経験が豊富でやりにくい。相手に合わせてしまうと、ズルズルといってしまう」と巧みな試合運びを警戒。「ベストを尽くすことに集中したい。何としても一発で獲りたい」と王座奪取を誓った。

　勝てば、岡山県のジム初の世界チャンピオン誕生だ。阿久井は「自分が勝つことで、岡山のボクシングの道を切り拓いていきたい」と力を込めた。

　ダラキアンは「日本に行くことができてうれしい。米国でこのタイトルを獲得し、(直近の試合では)ロンドンで防衛をした。今度は、東京に行って世界フライ級王座を防衛し、ベルトをウクライナに持ち帰る」。「私たちの国では戦争があり、民間人や子供たちが亡くなっているが、私はしっかりと準備をして、世界最高峰の試合で、良いボクシングを見せたい。ユーリ阿久井! ウクライナに栄光あれ! 試合は素晴らしい世界タイトルマッチになるでしょう。そして、強い者が勝つ!」と、ビデオメッセージで意気込みを伝えた。