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[試合後会見]2023.9.9

名古屋で死闘! 新王者誕生!

 WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦が9日、名古屋国際会議場イベントホールで行われ、同級2位の畑中建人(25=畑中)と同級3位の宝珠山晃(27=三迫)が新チャンピオンの座を争った。

 無敗同士のホープ対決を制したのはーー。試合は、初回から大きく動いた!
畑中建人(畑中)が新王者!
 サウスポー宝珠山が左ボディストレートをヒットし、リズムを掴みかけるが、畑中は右ボディで倒すと、レフェリーはダウンを宣告。2回に入ると、激しいパンチの応酬を繰り広げた。宝珠山が右フックをねじ込めば、畑中もワンツーを返し、総力戦の様相。7回、宝珠山はショートアッパーを好打。ペースを取られた畑中だが、9回にカウンターの右ボディストレートを突き刺し、ポイントを加点。10回、宝珠山は手数をまとめて倒しに行くが、ここを踏ん張った畑中が懸命にパンチを返した。12回、最後の力を振り絞りパンチを交錯させる中、畑中の回転力が若干上回った。
父になって初の試合で勝利
 左目下を冷やしながら会見に臨んだ畑中は「この試合に懸けていたので、勝ててホッとしている」と安堵の表情を浮かべると、「これで負けたら仕方がないという思いでリングに上がった。相手は後半になればなるほど、気持ちの強さを出してきた。走り込み合宿で気持ちを作ったが、あれがなかったら押されていた」と激戦を振り返った。

 試合後、リング上で7月に生まれた長女・愛衣(めい)ちゃんを抱きしめて号泣した。父として初めて臨んだ試合で、大きな1勝を挙げた。
「防衛戦で経験を積ませていく」
 囲み取材に応じた畑中清詞会長は「いちボクシングマニアから見たら、良い試合だったのではないか」と話すと、「試合の中で考えをパッと出さないと、(今日のように)乱打戦に持ち込まれる」と合格点は出さなかった。

 続けて「本人もわかっていると思うが、世界は力をつけてから。防衛戦で経験を積ませていく。まだまだこれから」と今後のプランを明かした。
「ここから這い上がる」
 一方、惜しくもベルトを逃した宝珠山は「初回、足が引っ掛かった感じでダウンして焦ったが、セコンドの指示で、その後は冷静に戦えた。効いたパンチもあったが、強気に攻めた。チームのサポートは完璧だった。相手の方が気持ちが上だった」と唇を噛んだ。それでも「この経験を糧に這い上がる」と前を向いた。

 加藤健太トレーナーは「やってきたことは全部出し切った。これで終わりの選手ではない」と宝珠山を労った。

 三迫貴志会長は「12ラウンド、フルに戦って気持ちで負けていなかった。この経験が活きてくる」と再起に期待した。
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