ついに! 井上尚弥の4団体統一戦が決定!

　大橋ボクシングジムは13日、横浜市内のホテルで記者会見を開き、バンタム級4団体統一王座戦、WBA(世界ボクシング協会)スーパー、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)同級王者の井上尚弥(29=大橋)対WBO(世界ボクシング機構)王者のポール・バトラー(33=英)戦を発表した。

　試合は、12月13日(火)に有明アリーナで行われ、「ひかりTV」および「dTV」で独占ライブ配信される。日本人初の世界4団体統一王者を目指すモンスターは「バトラー選手は、まとまった穴のない選手。少しずつ弱らせて圧倒して、4団体統一する」と意気込みを語った。

　過去に8人しかいない4団体世界統一王者。井上が勝てば、アジア人として史上初、KOで勝てば、3団体の王者をすべて倒しての王座獲得で、これも史上初となる。

KOで勝てば史上初

　バンタム級転向初戦で、WBA王者のジェイミー・マクドネル(英)を衝撃の初回KO勝ちでベルトを獲得してから4年半が経過した。「バンタム級に上げてから充実していたので、長くは感じなかった」。WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)優勝、米国での防衛戦、そしてノニト・ドネア(比)を返り討ちしたここまでを振り返ると、「この試合がバンタム級の最終章。ここはゴールではなく、あくまでも通過点」と言葉に力を込めた。

　バトラーは、今年4月に当時のWBO王者のジョンリエル・カシメロ(比)に挑戦する予定だったが、カシメロが英国ボクシング管理委員会の規定違反をしたため中止。バトラーは、代替開催された暫定王座決定戦で勝利。その後、カシメロの王座はく奪により正規王者に昇格した。

　相手の印象を聞かれたモンスターは「ジャブを突いてポイントを取り、危険なポジションにいないのを徹底してくる選手」と話すと、「(有利と言われているが)毎回、そうだがそれは周りが決めること。バトラー選手をめちゃくちゃ過大評価して、どのように攻略するか、イメージトレーニングをしている」とまったく気を緩めることはない。それでも「判定までいくイメージはない。必然的に倒れると思う」とKO決着に自信を示した。

　昨年12月に行われたアラン・ディパエン(タイ)戦では、「ひかりTV」によるPPV(ペイ・パー・ビュー)での視聴だったが、会見に同席した株式会社NTTドコモ前田義晃代表取締役副社長は「少しでも多くの人に見てほしい」と、「ひかりTV」および「dTV」の会員は、月額料金内で視聴が可能であると発表した。

　有明アリーナは、2020年2月に完成した収容人数15000人の会場で、東京五輪のバレーボール競技が行われた場所。井上は「初めての会場だし、設備もきれいだと聞いている。当日は、どのような演出になるのか楽しみ」と、ボクシングではこけら落としとなる、同会場での試合に胸を躍らせた。

　この試合をクリアすれば、来年はスーパーバンタム級に転向し、世界4階級制覇を目指す。「ボクシングは階級制のスポーツなので、スーパーバンタム級から先は挑戦になってくる」。

　階級アップを見越して、八重樫東トレーナーとのフィジカルトレーニングに着手し、1年が経った。「今も良い筋肉の付き方ができているし、当日が楽しみ」と最高の舞台で最高のパフォーマンスを見せるつもりだ。