カサレスが公開練習

　今月31日、日本武道館でWBA世界フライ級4位・清水智信(金子)の挑戦を受ける、WBA世界スーパーフライ級王者ウーゴ・カサレス(メキシコ)の公開練習が25日、都内のジムで行われた。
　予定より少し遅れて登場した王者は、入念なストレッチで身体をほぐした後、2ラウンドのシャドーを披露。軽快なステップでリズムを刻み、ストレートから左フック、ボディといった動きを確かめた。

　さらに変わった道具を使ってのダッキングやヘッドスリップの練習のあと、33歳の老獪な王者は、左にスイッチしてワンツー・ボディストレートなどのミット打ちを行い、キレのありそうな甲高い音を響かせていた。

　約30分の練習でたっぷりと汗を流したカサレスは、減量はリミットまであと3Kgほどで、計量までには問題なく落ちるだろうと答えた。

　また、4度目の来日ですっかり日本にも慣れ、調整も順調に進んでいると話し、「清水はやりにくい相手」としながらも、「清水が強い気持ちで臨めば、最高の試合になるだろう」と余裕を見せた。

　偵察に訪れていた金子会長は、「カサレスは急激に体重を落とし直前に戻す選手なので、後半は失速するはず。ダラダラとした試合運びには付き合いたくない。清水の調整は順調だし、スイッチも問題ないだろう。左右両方のスパーで対応してきた」とし、清水3度目の世界挑戦に自信を窺わせた。

　王者・カサレスは、先月9日に4度目の防衛(3回KO勝利)を行い、早くもV5戦に臨む。元々2階級下のライトフライ(元WBO世界王者)もこなす選手だが、短期間でのウェイト増減が試合にどう響くのか、みどころのひとつと言えるだろう。