炎天下の公開スパー

　今月31日に日本武道館で開催される、WBA世界バンタム級・スーパーフライ級ダブルタイトルマッチに向け、2度目の王座防衛を目指すWBA世界バンタム級王者「浪速乃闘拳」亀田興毅(亀田)と、3度目の世界挑戦で王座奪取を狙う前日本フライ級王者「スピードスター」清水智信(金子)が、東京サンケイビル駅前広場(メトロスクエア)で、公開スパーリングを行った。
　昼12時の開始とあって、特設リングには昼休みのサラリーマンやOLを中心に約600人の観衆が集まり、興毅と清水のスパーリングに大きな歓声が沸き上がった。

　WBA世界スーパーフライ級王者ウーゴ・カサレス(メキシコ)への挑戦が決まっている清水智信は、同門のサウスポー選手とスパーを行い、切れ味鋭い右ストレートと巧みな左捌きでパートナーを翻弄。順調な仕上がりをアピールした。
　スパー後、清水は「疲れはピークだが、やることは全てやってきました。3度目の正直でタイトルを獲ります。ボクシング人生の全てを懸けて挑みます」と、力強く王座奪取を宣言した。

　無敗の新鋭デビット・デラモラ(メキシコ)を挑戦者に迎え撃つ、世界3階級制覇王者・亀田興毅は、亀田ジムのトレーナーを務める元フィリピン王者ノエルをパートナーにスパーを公開。興毅は、鉄壁のブロックと素早い出入りからワンツー・右ボディを打ち込み、スピード感溢れるボクシングを披露。メトロスクエアを亀田ワールド一色に塗り替えた。

　リング上で興毅は「試合に向けて順調に仕上がっています。今日は暑い中、これだけ大勢の人達に駆けつけてもらい、本当に感謝しています」と観衆にお礼。最後に「挑戦者は無敗だが関係ない。キッチリと倒して勝ちます!8月31日は最高の試合をしますので、応援お願いします」と、堂々のKO宣言で締め括った。

　また公開スパーでは、K-1からボクシング転向初戦を戦うアンディ・オロゴン(平仲BS)も登場し、身長とリーチを活かしたボクシングで大器の片鱗を窺わせた。
　アンディは「皆さんの力を借りて強くなりたい。一番テッペンを目指す。何がなんでも勝つ!」と決意を表した。

　炎天下の中で行われた公開スパーリングであったが、"日本武道館決戦"に向け、興毅と清水は暑さを吹き飛ばすスパーで多くの歓声を集めた。
　またスパー終了後、興毅・清水・アンディの3選手は東日本大震災への義援金活動を行い、多くの募金に汗を拭うことも忘れ、「ありがとうございます」とファンへ握手で応えていた。