大阪から第二章

　WBA世界バンタム級初防衛戦の前日計量に姿を現した王者・亀田興毅(亀田)と挑戦者・ダニエル・ディアス(ニカラグア)。
　先に計量を行った興毅は53.5kgとリミットぴったりに合わせてきた。
　一方の挑戦者・ディアスはリミットまで若干の余裕が残る53.1kgで計量を終えた。
　試合を明日に控えた両者が、お互いの計量を見守った後、取材陣の質問に答えた。

　計量を無事終えた王者・興毅は、「久しぶりのサービスや!」と雑誌を挑戦者の前で真っ二つに破り裂いた。その後記者団に対し、「大阪はボクシングを始めて、がむしゃらに突っ走ってきた地。3階級制覇したことで、ボクシングの戦い方を覚えてきた。」とこれまでのボクサー興毅を振り返り「一度は大阪で世界戦をやりたかったし、3階級制覇という第一章は終わった。亀田興毅物語第二章を大阪から始められるのはうれしい」と喜びを口にし、「明日は、リングの上で最高の結果を残すだけ」と静かに語った。

　記者団から三男・和毅がライバル心を燃やしていたと聞くと「練習でもあいつと張り合うんはしんどい」と本音が出た。「和毅はよう練習しとるよ。ダッシュ10本やったら全部勝ちにきよる」と弟の成長に目を細めた。それでも最後は「まあ、俺はメインで世界戦やからなあ」と笑いを誘った。

　雑誌を破り裂くのを見ていた挑戦者のディアスは「自分の力を見せるためにやったことでしょう」と冷静に答え「でもリングの上では違う」と余裕を見せた。体重がリミットに達しなかったことに関しては「厳しい練習をつんできたから」とトレーニングの成果を強調した。試合の抱負を聞かれ「今は減量も終わり幸せな気持ち。後はKOで倒して、タイトルを持って帰るだけ」と淡々と語った。

王者・亀田興毅
■体温36.6℃ 体重53.5Kg 血圧137/87mm/Hg 脈拍57min
挑戦者・ダニエル・ディアス
■体温36.4℃ 体重53.1Kg 血圧162/80mm/Hg 脈拍40min