中谷潤人「イメージしているパンチがある」

　約1ヶ月間のスパーリング合宿を終えた中谷は、「疲労のピークが来て、イメージ通りに動けない時期もあったが、途中から動きにキレが出て、良い感じになった」と充実感を語った。

1日16ラウンドや10分3ラウンドの実践練習

　合宿ではライト級やフェザー級の選手と、1日16ラウンドや10分×3ラウンドというハードメニューをこなし、合計140ラウンドもの実践練習を消化した。

　「人生で初めての16ラウンドのスパーリングをしたので、12ラウンドのスパーの日は短く感じた」と笑みを浮かべた。

　身長174cmの長身オーソドックスのクエジャルと拳を交える中谷は、「プロになって自分より身長が高い相手と戦うのは初めて。どう工夫して戦っていくかを考え、距離を詰めるときには、より丁寧に戦うことを心掛けたい」と、28戦全勝(18KO)のメキシカンを警戒。その上で、「いくつかイメージしているパンチがあるので、それを出していきたい」と新ニックネーム「ビッグバン」にふさわしい試合をする意欲を示した。

　また、来年春に対戦が噂される世界ス―パーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)の最新試合(キム・イェジュン戦))は後日、見たようで、「相手が急きょサウスポーになり、より丁寧に戦っているなと思った。自分ならこうするなと思いながら見ていた」と、将来の対戦に向けてイメージを膨らませた。

　サウジアラビア総合娯楽庁長官のトゥルキ・アルシェイク氏が、日本時間8日に米スポーツ専門局ESPNのインタビューに応じ、12月にサウジアラビア・リヤドで、井上と中谷の試合を希望したと報じられた。

　そのニュースを聞いた中谷は「初耳です。期待を感じているので、より良いパフォーマンスを見せることが自分の仕事」と言葉に力を込めた。

　取材を終えると、応援者の子どもたちが中谷を待っていた。それを見た中谷は笑顔で応えた。