目を覚ますと太陽がまぶしかった。
天気も今日を祝ってくれてる。
2008年11月1日。
今日は再起戦の日だ。
VAAMを飲んでウェアを着て、いつもの様にジョギングに行く。
帰ってシャワーを浴びていつもの様にパスタを食べた。
王様のブランチを見てゴロゴロしながら、いつもの様にみんなにメールを返す。
…ぼちぼち家を出る時間だ。
1142日振りのリング。
春に復帰を決めて、
『必ず年内に試合までたどり着く』
ことを目標にここまで来た。
仕事しても、
遊んでも、
飲み歩いても、
ボクシングだけは真剣にやってきた。
銀行員としてここまで続けて来れたこと、
一度失った体力を取り戻す苦しい時間を乗り越えてきたこと、
そんな自分の決意と、
家族、地元、松陰、商大、同期、支店のみんな、ジムの先輩後輩・・140人の応援団の声援と、
来れなかった人の思いが、
すべてこの拳に乗っかってる。
TVの中のチャンピオン達と実力は違えど、
応援する仲間の思いは同じ。
てかこの後居酒屋貸し切ってるし。
絶対に負けられない。
後楽園ホールに入ると自然と気持ちが落ち着いた。
慣れ親しんだ、このホールはたくさんの思い出が詰まった場所だ。
控え室へ向かう通路には、壁のいたるところに黒いシミがある。
それは、何人もの緊張したボクサー達が、
グローブで壁を叩いて出来たシミだった。
つづく