ゾウ「世界挑戦に繋げる」

　08年北京五輪と12年ロンドン五輪を連覇した実績を持つWBA世界フライ級6位ゾウ・シミン(33=中国)が7月19日、中国特別行政区マカオでIBF同級10位のルイス・デラ・ローサ(コロンビア)とWBOインターナショナル・フライ級王座決定戦に臨む。ゾウにとってはプロ5戦目で初の10回戦だが、「勝って世界挑戦に繋げたい」と意気込んでいる。

　ゾウはトップランク社と契約を交わして昨年4月にプロデビュー。 3試合は判定勝ちに留まっていたが、今年2月の8回戦で初めてTKO勝ちを収めている。4戦とも世界的には無名の相手だったが、アマ時代の実績が考慮されてか今春になっていきなりWBAでライトフライ級3位にランクされた。現在はフライ級6位に名を連ねている。3度の世界挑戦経験を持つデラ・ローサに勝てば11月にも世界挑戦というプランが浮上しており、ゾウにとっても中国ボクシング界にとっても絶対に落とせない重要な試合といえる。ゾウは「初の10回戦だが準備はできている。相手はキャリアがあるが、だからといって神経質にはなっていない。むしろ楽しみにしている。デラ・ローサは好戦的なタイプだが、これに勝って世界挑戦に繋げたい」と話している。一方、地球の反対側からマカオ入りしたデラ・ローサは「ゾウはアマチュアの経験が豊富だが、私にはプロのキャリアがある。この試合のために4ヵ月のトレーニングを積んできた。必ず勝つ。7月19日、ゾウは悪夢を見ることになる」と、こちらも自信満々のコメントを残している。27戦23勝(13KO)3敗1分。 　この日のイベントは「チャンピオンズ・オブ・ゴールド」と銘打たれており、ゾウのほかにも2000年シドニー五輪、04年アテネ五輪連覇のギジェルモ・リゴンドー(キューバ/米)、12年ロンドン五輪金のイーゴリー・メホンツェフ(露)が出場する。リゴンドーはソッド・ゴーキャットジム(タイ)を相手にWBA、WBO世界スーパーバンタム級王座の防衛戦、メホンツェフはマイク・ミラフエンテ(比)を相手にプロ4連続KO勝ちを狙う。そのほか元世界2階級制覇王者でシドニー五輪出場の経験を持つブライアン・ビロリア(比/米)、28戦全勝(22KO)のWBC世界スーパーミドル級2位、ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)らが出場を予定している。