トレーナーに転身したバード氏

　ライトヘビー級のWBC11位にランクされるデニス・グラチェフ(31=露/米)は8月9日、南アフリカ共和国でライノ・リーベンバーグ(南ア)とWBCインターナショナル・シルバー・ライトヘビー級王座決定戦で拳を交えることになった。そのグラチェフは現在、元WBO、IBF世界ヘビー級王者のクリス・バード・トレーナー(43=米)の指導を受けている。

　バード氏は92年のバルセロナ五輪ミドル級で銀メダルを獲得するなどアマチュアで315戦290勝25敗の戦績を残して93年にプロ転向。2000年にはビタリ・クリチコ(ウクライナ)の負傷に乗じて9回TKO勝ちを収め、WBO世界ヘビー級王座を獲得した。初防衛戦でビタリの弟ウラジミールに敗れて無冠に戻ったが、02年にはIBFで返り咲きを果たした。この王座は再びウラジミールに奪われるまで4度の防衛を果たした。47戦41勝(22KO)5敗1分の戦績を残し09年3月の試合を最後に引退した。サウスポーの技巧派だったバード氏は独特の戦術や理論に長け、引退後は選手の指導面でも才能を発揮しつつある。一方のグラチェフは異種格闘技からボクシングに転向し世界ランクにも名を連ねたが、この2年は世界のトップを相手に4戦1勝3敗とスランプに陥っている。17戦13勝(8KO)3敗1分。一時はWBC3位まで躍進したが、現在はWBC11位に後退している。捲土重来を期す新コンビの初陣に注目したい。