亀田三兄弟ピンチ

　7日、日本ボクシングコミッション(JBC)は都内で会見を開き、昨年12月3日におこなわれた王座統一戦で、負けても亀田大毅(亀田)がIBF王座を保持した問題で「多くのファンやマスコミからボクシングの公平性を疑われ、JBCの信用を傷つけた」とし、亀田ジムの吉井慎次会長のクラブオーナーライセンス兼プロモーターライセンスと嶋聡マネージャーのマネージャーライセンスを平成26年度は更新しないことを発表した。これにより、亀田ジムは最低でも今年一年間は、プロボクシングジムとしての活動ができなくなった。

　JBCは、亀田三兄弟のボクサーとしての活動を直接的には禁じていないとしたが、ジム制度を採用している日本のプロボクシング界では、プロボクシングジムに籍を置かない選手には、プロボクサーのライセンスが発行されないため、亀田三兄弟は、他のジムへ移籍しないと国内ではプロボクサーとしての活動ができない。その上で、JBCは亀田三兄弟がジム移籍を申し出てきた場合には、実質的な活動内容などを審査し、移籍を認めるかを判断するとした。

　また、亀田ジムの会長やマネージャーに関しても、名義貸しなどによる実質的には権限を持たない人物への新規ライセンス発行はしない、と注文を付け加えた。
　「信頼関係が破綻した」というJBCは、亀田ジムは過去10年間に厳重注意などの処分を6度受けていることを明かした。過去15年間にJBCが厳重注意などの処分を下したケースは50件とのこと。

　6日付で、JBC職員が「暴行を受けた」として亀田興毅と亀田和毅らに対して損害賠償の訴えを起こしたことに関してJBCは「個人の訴えなので関与しない」とした。この暴行事件は、昨年9月3日に高松で行われた大毅の世界戦で、亀田陣営が求めた日本製のスポンサー名の入ったグローブではなく、カナダ製のグローブの使用を試合当日に対戦相手が求め、両陣営の意見が合わなかった。この時、嶋マネージャーほか亀田興毅と和毅もJBC職員に抗議し、同職員ら三名を監禁し恫喝したというもの。

　JBC職員による訴えに関して、亀田側の代理人、北村晴男弁護士から報道機関に書面が送られた。

1　本年2月7日,JBC職員及びその代理人弁護士らが記者会見を行い,「昨年9月3日の亀田大毅選手の国際ボクシング連盟(IBF)スーパーフライ級世界タイトル戦前に,対戦相手が使用するグローブをめぐって亀田ジム側がJBCに抗議を行った際,亀田興毅選手がJBC職員の会見室からの退室を妨害し,「おかしいじゃないか」と同職員を脅迫したほか,和毅選手が同職員の首や肩を数回小突くなどの暴行を加えた」等と主張し,亀田興毅,和毅両選手を含む亀田ジム(以下「当ジム」とします。)関係者4名に対し,1000万円の損害賠償を求める訴えを提起した旨発表したとの報道がなされました。
2　当該JBC職員の主張につきましては,訴状が送達されていないことから,当ジムはその内容を把握しておりませんが,亀田興毅,和毅両選手を含む当ジム関係者が,当該JBC職員に対し,会見室からの退室を妨害したり,脅迫行為や暴行行為に及ぶなどした事実は,いずれも一切ありません。
　　なお,当ジムは,昨年9月3日の当該JBC職員を含むJBC職員3名と当ジム関係者4名との話合いの状況を撮影した映像を保存しており,JBCにも当該映像を示して,上記のような事実が一切ないことについてご理解を頂いています。
3　本件については,昨年9月,「亀田興毅,和毅両選手がJBC職員を監禁,恫喝した」旨の誤った報道もなされていたところですが,このような報道は亀田興毅,和毅両選手の名誉を著しく毀損するものであり,すでに訴訟を提起しております。
　　もっとも,上記報道においては,当該JBC職員が亀田和毅選手を含む当ジム関係者から「暴行を受けた」との事実は一切摘示されていなかったこと,したがって,当該JBC職員も,その当時はこのような説明をしていなかったと思われることからすれば,当ジムとしては,当該JBC職員が,上記報道から5か月が経過した現時点において,初めて当ジム関係者の「暴行」について主張するに至ったことについて,極めて奇異であるとの印象を受けております。
4　本件に関しては,今後,訴訟において事実を明らかにしていく所存です。
以上