加藤に正月は無し

　「僕に『明けましておめでとう』は無いですね。新年を迎えた気持ちがしません」。日本ボクシング界の年明け最初のタイトルマッチ、OPBF東洋太平洋ライト級王座2度目の防衛戦を今月11日(土)に控えた日本&OPBF王者の加藤善孝(29=角海老宝石)は、6日の夕方にジムに現れこうもらした。

　年末年始を1日も練習を休まなかった加藤に佐藤直樹トレーナーも正月返上で付き合ってくれた。「岡田(加藤の同門、岡田博喜)が2日にスパーの相手をしてくれて助かりました。今まで以上に濃い練習ができたのはみんなのおかげ。ウェイトも先週の段階で2kgを切り、怪我や不調もなくコンディションは万全です。あとはリングの上で力を出すだけ」と、加藤は追い込みと仕上げに自信ありの表情を浮かべた。挑戦者のOPBF同級9位、中谷正義(24=井岡)については「スピードと体格では向こうの方が上でしょう。実際に見たのは土屋戦(加藤の同門、土屋修平)だけですからね、未知数の部分も多い。まあ、自分を信じて戦いますよ」と関西のホープを十分に警戒したが、総合力で上回るという自負もありそうだ。

　大晦日の世界戦は練習後に自宅で見たらしく、2013年最後の試合となったWBA世界スーパーフェザー級王座戦の内山高志(34=ワタナベ)対金子大樹(25=横浜光)については「凄い試合でしたね。僕も(内山選手を)見習いたい」と、王者のダウンもあったベテラン対ホープの図を5日後の試合に照らし合わせていた。また、今は試合に集中していると話すも「今年は世界しかないと思っている。これをクリアした後は大きな試合を組んでもらいたい」と希望し、世界ランク上位の荒川仁人(八王子中屋)や粟生隆寛(帝拳)の名前を出した。

　最後に加藤は「僕の正月は試合後、旧正月ですね(笑)。今年最初のタイトルマッチを楽しみにしていてください」と笑顔でメッセージをくれた。