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[試合後会見]2013.8.13

湯場も村田戦を熱望

 12日、都内の後楽園ホールでは、日本スーパーウェルター級王座決定戦が行われ、1位の湯場忠志(36=都城レオスポーツ)が2位の切間庸裕(折尾)を1回2分36秒KOでしとめ、史上初の日本王座5階級制覇をはたした。
左フックで3度倒した
 長年、多くのファンから愛されてきた二枚目ヒットマンの“湯場様”といえども、W世界戦にバッティングするとは、さすがに客足も遠のいてしまうのか。そんな不安はどこへやら、湯場が陣取った赤コーナー周辺に限らず、会場には多くの根強いファンが詰めかけていた。
 昨年10月に佐々木左之介(ワタナベ)からミドル級王座を奪われて以来、判定勝ちが2度続いた。「狙いに行ったらダメだったから、今日も判定でいくつもりだった。それが結果的に相手の動きを冷静に見抜けることになった」。試合後の会見で湯場は、息を切らしていた様子もなく、淡々とそう振り返った。
湯場が5階級制覇達成
 ゴングが鳴ると、まずは切間が右ストレートを数発打っていったが、湯場は「どんなパンチがあるのか見ていた」という。切間から左ストレートを警戒されているのが分かったため、スイング気味の軌道で左フックを放つと、同時にパンチを放った切間が、上体をねじらせてキャンバスに沈んだ。「(切間は)頑張る選手だと思っていたから、立ってくるのは分かった。2回目のダウンを取った時に、これでいけると思った」。
孤高の男に涙
 そして見事、3度のノックダウンを奪った湯場は、目標達成について、リング上で「運がいいです」と口にしてから、こらえていた涙をあふれさせた。
 そして「僕は防衛戦が苦手なんで」と自虐的に言うと、ファンたちから笑いがこぼれ、「タイトルを返上して最後はヘビー級。京太郎選手が返上したら決定戦がまた回ってくる気がする」というビジョンを口にし、会場は大きな笑いに包まれた。
村田君と是非戦いたい
 控え室でも、新王者は挑戦者としての姿勢を変えたくないと改めて語った。「5階級が目標にあったので、ここまで来れた。今までのパターンなら次の防衛戦で負けるんですよ。だから、目標を見つけて、それに向けて頑張って行きたい」。
 そして希望したのが金メダリスト、村田諒太(三迫)との対戦だった。「数年前のスパーリングで、こんなに強い選手がいるのかと思った。柴田(明雄)君に勝っても負けても、その次に僕と戦ってほしい」。
父似の海樹君
 相変わらずクールに燃える湯場も、すでに35才。会見中、控え室の隅で、父の仕事が済むのを待っていた長男・海樹君も中学3年生となった。湯場とタッグを組んで久しい飯田裕トレーナーは「炎天下なのでスタミナロスが怖かった。ライト級の頃は、腕を伸ばしていれば誰も入って来られなかったし、誰も対戦しようとしなかった。そんな頃の湯場ではないけど、マイペースによく頑張っている」と感心していた。

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