リング外のフロッチ争奪戦

　フロッチ本人が最も望んでいるのはWBAのスーパー王者アンドレ・ウォード(米)との対戦だ。両者は11年12月、スーパーミドル級最強決定トーナメント「スーパー6」の決勝で拳を交え、ウォードが3対0(115対113×2、118対110)の12回判定勝ちを収めている。ケスラーに3年前の雪辱を果たしたフロッチは、ウォードにも借りを返したいと熱望している。「ウォードは高い評価を得ているが、戦いぶりは少しもエキサイティングじゃない。英国で俺と戦えば必然的にエキサイティングな試合になるはずさ」と再戦を呼びかけている。
　しかし、ウォードは「イギリスに来いというのか?　彼だってアメリカに来てスター選手になったんじゃないか。試合の前に話し合うことがたくさんあるだろう」といなしている。
　こうしたなか、ウォードとの再戦交渉が前進しない場合、フロッチ陣営はケスラーとの第3戦も視野に入れているとしている。2団体王者フロッチを巡るリング外の駆け引きは始まったばかりだ。