ポベトキンVSワウルジク

〇アレクサンデル・ポベトキン(露)
　3RTKO2分3秒
●アンドレイ・ワウルジク(ポーランド)

　16対1のオッズどおりポベトキンの圧勝だった。最初の3分間こそ慎重だったポベトキンだが、2Rに入ると攻勢を強め、右で先制のダウンを奪う。27戦して無敗のワウルジクはなんとか残りの時間を凌いだが、続く3Rに再び捕まってしまった。このラウンドにポベトキンが2度のダウンを追加、レフェリーが試合をストップした。レギュラー王座4度目の防衛に成功したポベトキンは26戦全勝(18KO)。ワウルジクは28戦27勝(13KO)1敗。
　この勝利によりポベトキンはWBAから指令を受けている3団体王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)との統一戦に駒を進めることになった。すでに興行権入札も行われ、ウラジミール・フリュノフ氏が合計2300万ドル(約23億4600万円)で落札。クリチコが75パーセント、ポベトキンが25パーセントを受け取ることになっている。試合は10月5日、ロシアのモスクワ開催が最有力となっている。

〇ギジェルモ・ジョーンズ(パナマ)
　11RKO
●デニス・レべデフ(露)

　再三のブランクにより休養王者扱いにされたジョーンズだが、リングの上ではしっかりと存在感を示した。敵地ということもあり6対1のオッズが示すとおり厳しい見方が多かったが、初回からレべデフの右目尻を切り裂くなどジョーンズは上々のスタートを切った。レべデフは中盤に入るころには視界が塞がれるほどで、これが大きな負担になったことは間違いない。5R、6R、8Rと反撃して戦況を五分に戻すレべデフだが、なかなか一歩抜け出すことができない。 10Rになるとレべデフの顔面は大きく腫れ、続行が危ぶまれる状況となった。11Rにはドクターのチェックも入った。これを機にジョーンズが一気に攻勢に出てダウンを奪い、そのまま10カウントを聞かせた。41歳にして再び正王座に舞い戻ったジョーンズは44戦39勝(31KO) 3敗2分。3度目の防衛に失敗したレべデフは27戦25勝(19KO)2敗。