まずは日本タイトル!!

　10日、20歳の誕生日を迎えた井上尚弥の公開練習が大橋ジムで行われた。この日はサプライズゲストが登場ー。

　シャドー・ミット打ちで汗を流した井上尚弥は、サプライズゲストとして登場したモデルの菜々緒さんから、花束とネクタイをプレゼントされると思わずニッコリ。20歳になった井上は、「より責任感をもって行動したい」と話すと「20歳になって最初に迎える16日の試合は、頭を使って、駆け引きをして、今まで以上に大人の試合をしたいです」と意気込みを語った。
　当日の試合中継でキャスターを務める菜々緒さんは、「練習を見て最初にお会いした時と違う表情が見れたので試合が楽しみです。素晴らしいボクシングの試合を伝えていきたいです」と抱負を語った。

　普段は強面の、父でありトレーナー・真吾氏も、この時ばかりは笑顔で写メを撮っていた。改めて今回の課題について伺うと「いつも課題はほぼ同じだが、今回は練習中でも気を抜かず集中することに取り組んだ。昔から言ってきたことだが、ようやく本人も理解し、それが実行でき、最後は本当に無駄のない練習できた」と息子・尚弥の成長を明かした。 　

　成人となった井上は、「進境の変化は特にないですね、お酒も現役中は飲まないと決めてるので。お父さんは毎日飲んでます」と明かすと、「まずは、日本タイトルを獲りたいです。そこから先は実力次第だと思うけど、世界に挑戦できればいいなと思います。まずは日本タイトルです」と20歳の目標をあげた。
　試合については、「デビューしてから、試合の結果はイメージ通り来てるが、練習で納得行かない部分がまだある。打たせずに打つというのがスパーでも試合でもできたら理想通りになれると思う。スパーリングは数えてないが、10Rが3回と12Rが2回を含めて、今までで最高ラウンド数やっています」と話し、ゴールデンタイムでの放送について「世界チャンピオンとデビュー間もない自分は、当然比べられると思うので、それでも引けを取らない試合をしたいと思います」と真直に語った。

　当日の取材を見ていた大橋秀行会長は、「3戦目とは思えない落つき方は、大したものだと思う。デビュー戦の入場での落ちついた様子は、今でも忘れられない」と明かした「20歳のうちに日本と東洋を獲って、世界に挑戦できればベストじゃないですかね」と話す大橋会長からは、井上尚弥への期待の大きさが伺えた。