得意の左が当たるか

　2度目の大舞台まで10日に迫った29日、 WBC世界スーパーフェザー級タイトルに挑む三浦隆司が、所属する帝拳ジムで報道陣に練習を公開した。長身の王者ガマリエル・ディアス(メキシコ)に見立てたパートナーを相手に3ラウンド、熱のこもったスパーリングを披露し、仕上がりが順調であることをアピール。4月8日(月)、両国国技館のリングが待ち遠しい様子だった。

■ワールドプレミアムボクシングVol.17「The REAL」
WBC世界Sフェザー級タイトルマッチ12回戦
王者ガマリエル・ディアイス(メキシコ)VS挑戦者・三浦隆司(帝拳)
■日時:4月8日(月)
■会場:両国国技館
■お問合せ:帝拳ジムTEL.03-3269-6667

　2年前に内山高志(ワタナベ)の持つWBA王座に挑戦して敗れてから三浦はライト級で戦ってきただけに、まずは体重調整が気になるところ。両階級の体重差は約2.3kgだが、「早めに準備に入ったので問題はないです。いまは練習が終わってリミットを1.3kg・オーバー」と三浦は平然と明かす。

　28戦24勝(18KO)2敗2分の戦績が示すように、三浦の最大のアピール・ポイントはサウスポーから繰り出す強打にある。その一方で防御面や攻撃の幅などに課題を抱えてもいた。今回の世界再挑戦に向け、その点も矯正に努めたという。「スパーは合計で120ラウンドぐらいですが、左ストレートを打ったあとのバランスやディフェンスを意識しながらやってきました」と話す。

　王者ディアスはキャリア15年、48戦37勝(17KO)9敗2分のベテランだけに、必ずしも三浦にとって与し易い相手とはいえない。それだけに試合の組み立てが重要になりそうだ。「ディアスは全体的にバランスのとれた、気持ちの強い選手。いかに得意の左を当てるかがポイント」と客観性をもって三浦は自身のテーマを掲げる。

　元比国スーパーフェザー級10位のRJアノオスとの3分×3ラウンドのスパーでは、右リードを多用しながら圧力をかけ、威力のある左と右フックを随所にヒット。ボディにもパンチを散らすなど幅広い攻撃をみせた。

「ドスンという重量感のある音が響いていましたからね。見たとおり調子はいいですよ」と葛西裕一トレーナーも手応えを感じていた。 　3日後の4月1日にはディアスが来日する。徐々に決戦ムードが高まってきた。