空気を読む

　昨年の大晦日に日本人最速となる2冠達成したWBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔と自身初の世界挑戦で、WBA世界ミニマム級王座奪取に成功した宮崎亮(共に井岡ジム)が21日、ゴールデンウィーク明けの開催が予想される初防衛戦に向けて、和歌山県白浜町で2泊3日の合同合宿を開始した。

　プロデビュー以来、11戦中7KO勝利という戦績は伊達じゃない。会場に集まったファンのKOを求める空気を読めるようになったと話す一翔には王者の貫録が漂う。

　今回の合宿では下半身の強化に重点を置くと話す若武者は「スピード、パワー、技術に伸びしろを感じる」と自身のさらなる成長にどん欲な姿勢を貫く。
　一翔は2階級制覇後、各界の著名人とも交流を深めている。大相撲の幕内・勢とは、食事先でばったり。勢が大阪府交野市出身ということもあり「お互い頑張りましょう」と、ともに大阪を盛り上げていくことを誓った。また、この日、女優の仲里依紗との結婚を発表した俳優の中尾明慶とは、顔が似ているという縁でバラエティ番組で2度共演した。ボクシング界の若き至宝に更なる進化を期待したい。

　初防衛戦に臨む宮崎は、一翔と対称的に1ラウンドで決着を付ける。「12ラウンドしてお金をもらうのか、1ラウンドしてお金をもらうのかと言ったら、1ラウンドの方がいい」とニヤリ。昨年12月31日のポンサワン戦は「足が止ま ってしまった」と判定にもつれ込んだため、下半身強化が課題。「テーマは勇気・感動・KO!!」と力強く話す井岡ジムのもう一人の至宝の活躍からも目が離せない。