美女対決の勝者は!!

　26日、後楽園ホールで開催された「第42回フェニックス・バトル」では、WBA女子世界ライトミニマム級王者・宮尾綾香(大橋)が初防衛戦として、秋田屋まさえ(ワイルドB)を挑戦者に迎え撃った。
　昨年2月、両雄は世界王座挑戦権を賭け激突、この時は宮尾が勝利を奪っている。そして王者と挑戦者という立場で再び拳を交え、その腰にWBA"漆黒のベルト"を巻いたのは…。

　序盤から王者・宮尾と挑戦者・秋田屋はフットワークを駆使し、ジャブ・ワンツーを打ち合う。ここで秋田屋はジャブで踏み込むが、宮尾の右ストレートがカウンターで顔面を捕らえる。しかし3回、両者はワンツーを打ち合うと、互いの頭がブツかり秋田屋は右目上をカット。中盤、挑戦者はカットによるストップを懸念しワンツーで仕掛けるが、王者はバックステップでヒットを許さない。すると6回、宮尾は左フック・右ストレートの連打で秋田屋からダウンを奪う。終盤、秋田屋はジャブで突破口を開こうとするが、宮尾は足を使い素早い出入りから右アッパー・左フック・右ストレートでポイントアウト。王者・宮尾が判定3-0(96-93・98-92・98-91)で挑戦者・秋田屋を下し、"鬼門"を突破した。

　リベンジを心に期し挑むも、6回に王者の連打でダウンを奪われ判定で敗退、2度目の世界挑戦もベルトに手が届かなった秋田屋は「前回より戦い難さはなかったが、距離が合わなかった。自分は足を使うスタイルなので、もっと動いてボクシングをしたかったが…。3回のカットは自分だと思わなかった。焦りはなかったが、止められたらと言うのはあった。最終回はセコンドから"行け!!"と指示があったのでガムシャラにいったが…」と悔しさを滲ませた。

　注目の"美女対決"を制し、WBA女子世界ライトミニマム級王者として勝ち名乗りを受けた宮尾が、控え室で会見を開いた。「あの戦いが自分のボクシングかと言われたら…そうじゃない!!自分に相手を倒すパンチが無いのは分かっている。手数をもっと出したり、判定で確実にポイントアウトし、誰が観ても"勝った!!"と思わせる試合をすることが王者だと思っていた。もっと出来ると過信していた部分もあったが、この試合でその考えを打ち砕かれた。色々な要素で揺らいでしまった自分の弱さがあるのかも知れない」とタイトルを守るも冷静に自分自身を見つめ直した。

　最後に王者・宮尾は「スピード・手数・コンビネーションがあって、これが女子ボクシングだというパフォーマンスができれば良いなと思うし、そこが今後の課題です。タイトルの防衛よりも、私としては"上手い選手"、そして"強い選手"に成長していきたい。でも…そこに辿り着くのはまだまだ先だなって感じました!!」と笑顔を見せ、更なる飛躍を誓った。

　初防衛戦をクリアし、宮尾は新たな"QUEEN"として歩みだした。
　低迷を続ける日本女子ボクシング界の浮沈は、宮尾綾香の戦いに掛かっている!!