実家でのんびり

　大晦日にWBA世界スーパーフェザー級暫定王者のブライアン・バスケスをコスタリカから迎え、王座統一と6度目防衛成功をTKO勝利で飾った内山高志が21日、都内にあるワタナベジムにて練習を再開し、記者会見を行った。

　新年は実家でのんびり過ごし、試合の一週間後から軽めのジョギングを再開していたという内山は「右拳も傷めなかったので2月中旬から本格的なスパーリングも始められます」と笑顔を見せると、内山の練習はじめとしては異例のミット打ちに続き、サンドバッグ打ちでは、抜群の距離感で一撃必殺の右ストレートとド迫力の左右の連打を披露し、集まった記者団を唸らせた。

　古傷の右拳の状態が良いことに触れた内山は大晦日の防衛戦を振り返り「(相手の)距離とガードは、右を当てにくかったのと7割ぐらいの力で打つように心がけ、全力で右を打ち抜くことはなかった」とレフェリーが止めに入った8ラウンドのシーンを回想した。

　スーパーフェザー級で評判が高い、暫定王者のユリキオス・ガンボア(キューバ)との頂上決戦に話が及ぶと「出来ることならやりたい」と話した内山は「強い選手と戦って、自分が強くなっていくのを実感したい」と向上心に陰りはなく、常々、ファンの喜ぶ試合を組みたいと話している渡辺会長もガンボアは次戦が決まっているようだが、と前置きした上で「正規王者は内山なので、相手からの挑戦を受ける形になるが、積極的にマッチメーキングできるよう進めたい。」とした。

　次戦は4月29日を予定していることを明かした渡辺会長だが、この時期は試合会場の候補にあがっている大田区総合体育館や代々木第二などは既に予定が埋まっているとのことで、頭を抱える。試合会場が正式に決まれば、近日中に発表される予定の新チャンピオン河野公平の初防衛戦とダブル世界戦になるとの見通しを語った。

　スーパーフェザーがベストとしながらもライト級やフェザー級での調整にも自信を見せた内山高志。一方で、元世界王者・具志堅用高氏の持つ世界タイトル13回連続防衛記録の更新にも期待を寄せた渡辺会長。世界チャンピオンを二人抱えるワタナベジムの今後に注視したい。