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[試合後会見]2012.12.18

女子最多防衛なるか!?

 17日、後楽園ホールで開催された「トクホンダッシュエアロVol.91」のメインイベントには、WBC女子世界アトム級タイトルマッチがラインナップ。
 王者"ピンクのサウスポー"小関桃(青木)が女子最多となる9度目のタイトル防衛を成し遂げたのか、それとも挑戦者"ワイルドハート"花形冴美(花形)が強気のボクシングで政権交代を実現させたのか…。
小関がV9に成功!
 試合は最後まで王者・小関の冷静な戦いが目を引く展開となった。
 序盤から挑戦者・花形が勢い良くワンツーで攻め込むが、王者・小関はジャブで出足を阻み、巧みなブロックから左ストレートを上下に打ち分ける。4回終了時、判定3-0(39-37・39-37・40-36)で小関リード。中盤、花形はポイントの挽回を狙い右ストレート・左フックの連打で突破口を開きたいが、小関の的確な左ストレートが顔面を捕らえる。
 7回終了時、判定3-0(68-65・69-64・69-64)と王者がリードを広げる。終盤、花形も諦めることなくワンツー・右ボディアッパーで猛追するが、小関は冷静に距離を保ちワンツー・左ストレートでポイントアウト。終わってみれば小関の判定3-0(96-94・96-94・98-92)、最大で6ポイント差を付け花形を退けた。
力は出せたと花形冴美
 大応援団の声援を背に力を出し尽くした花形であったが、タイトル奪取の夢は叶わず。それでも控え室の会見では、持ち前の明るい笑顔を見せた。 「気負いなく力を出せたが、チャンピオンは強かった。打ち終わりに気をつけていてもコンパクトに攻められてしまった。でも意外にパンチも当てられ、いつも以上にチャンピオンを熱くさせたと思う」と晴れやかな顔で語り、「実力の差は縮まっていると感じた。あきらめずにやっていきたい」と、しっかり前を向いた。
試合後、花形が王者へ感謝
 同席した花形会長も「向こうの方が一枚上手だったが、勝てない相手じゃない。後半も追い込んでみせたし、スタミナは問題ない。あとは技術。サウスポー対策もまだまだ不十分。だが、今持っている実力は出せた」と愛弟子を労った。
ノロウィルスに罹っていた
 一方、女子最多となるV9に成功した小関。これまでと違った荒々しいファイトを聞かれ「どこかでボクサーの本能が出ていた。花形選手の応援はプレッシャーになったが、セコンドの声は最後まで聞こえていたので、言われたことを忠実に戦えた」と試合を振り返った。
 今年30歳になってますます体力がつき、340ラウンドのスパーをこなした小関だが、試合2日前にノロウィルスに罹っていたことを明かした。「具合の悪さを悟られないよう、なんとか隠して計量に臨んだ。当日になって回復したが余裕はなかった。勝ててよかった」と安堵の表情を見せた。
記録は後でついてくるモノ
 今後の防衛記録更新については「今回も首の皮一枚がつながった感じ。後で課題が残るような試合ばかりなので、もっと気持ちを引き締めたい。チャンピオンは勝ってなんぼです」と、記録より貪欲に勝つことへ気持ちを向けた。
 今回の試合で体力・気力・技術ともに更なる成長を感じさせた王者・小関桃。独走はまだまだ続きそうだ。

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