牛タンでお祝い

　3日に開催されたダブル世界戦の共同一夜明け会見が、仙台市内にあるウェスティンホテルで行われた。会見会場に姿を現したWBC世界バンタム級王者・山中慎介と同世界フライ級王者・五十嵐俊幸は少々お疲れ気味ではあったが、そろって笑顔を見せた。

　衝撃のノックアウト勝利の興奮も冷めやまぬ記者団を前に、昨夜は「おめでとうメールが殺到したり、試合の興奮も重なり寝つけなかった。」と嬉しい悲鳴。試合をふりかえり「序盤は硬いところもあったが、最終的に理想的な勝ち方が出来た。」と笑顔をみせた。ファンの期待も高まるビッグネームキラーだが「今後は、実力が有って名のある選手と戦いたい。」と世界の頂点を目指し、いまだにハングリー。世界の軽量級最前線の中心に立つ日も近い。

　昨夜は試合後に反省の弁が先に出た五十嵐だったが、鬼門といわれる世界初防衛戦を発展途上ながらもクリアし、さばさばとした表情で「万能型を目指して接近戦も出来るつもりに成っていたが、付け焼刃状態だった。試合とスパーリングの違いが今回解った。この経験を必ず自分の糧にする。」と話すと「次戦に向けての意欲が早くも湧いてきた」とモチベーションはさらに上がったとのこと。

※浜田代表の談話
■五十嵐について―
「五十嵐は、元々スピードとテクニックの選手。タイトルを獲った後はパワーアップし、 打ち合いの中にリズムを求めた。長い目でみれば、アウトボクシングだけではなく打ち合っても勝てる幅が広がった。」と成長過程の若武者を元気づけた。
■山中について―
「西岡と長谷川がずっと日本のボクシング界を引っぱってきた。これからは、山中、五十嵐そして挫折したとはいえ粟生も牽引車に成り、これからの子供たちに夢を与える立場に成らなければいけない。」と締めた。
　山中と五十嵐は試合後に二人で仙台名物牛タンを食べたとのこと。