IBFのSL級戦入札

　興行権入札はプロモーターが両選手の合計報酬を提示し、金額の多い者が落札するシステムになっている。今回のピーターソン対ジュダーの入札に参加したのは、バリー・ハンター氏ただひとりだった。ピーターソンが弟のアンソニーとともに路上生活者だったころから親代わりになって兄弟の面倒をみてきた人物である。ハンター氏の提示額は、なんと5万ドル(約400万円)だった。これを王者3、挑戦者1の比率で分けるとなるとピーターソンが3万7500ドル(約300万円)、ジュダーは1万2500ドル(約100万円)という金額になる。
　いくらなんでも低すぎるが、これはピーターソン対ジュダーのカードをいったん据え置くための策とも見られている。なぜならばピーターソンは12月15日にWBO世界ウェルター級王者ティモシー・ブラッドリー(米)との対決が計画されているからだ。入札に臨み落札することでジュダー戦の開催権と王座をキープしておき、そのうえでブラッドリー戦に臨むことが可能になるからである。
　まだトップランク社からはブラッドリー対ピーターソンの正式な発表はないが、ほぼ確定とも伝えられる。今後の各陣営の動きに注目したい。