チャベスのV3戦

　WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)対アンディ・リー(アイルランド/米)のタイトルマッチ12回戦は16日(日本時間17日)、米国テキサス州エルパソで行われた。

○フリオ・セサール・チャベス・Jr(メキシコ)
　7回2分21秒TKO
●アンディ・リー(アイルランド/米)

　メキシコ系が多いテキサス州だけに、会場のサンボウル・スタジアムには1万3000人以上の観客が詰めかけた。もちろんその多くはチャベス・ファンである。

　しかし、この日のチャベスは188センチの長身サウスポー、リーの右ジャブと長距離からの攻撃に後手を踏むかたちとなった。試合開始から1分以上も手を出さず、偵察を決め込んだ。2回、3回も攻撃を手控えたチャベスだったが、4回から圧力を強めて強引に主導権を奪いに出た。接近戦になるとリーは守勢に回るシーンが目立ち、流れは王者に傾く。体を寄せて左フックをボディに見舞い、続いて右アッパーで顎を突き上げるチャベスの攻撃パターンが目についた。

　7回、チャベスが右アッパーをきっかけに連打、リーが窮地に陥ったところでローレンス・コール・レフェリーが割って入った。

　チャベスは48戦46勝(32KO)1分1無効試合。リーは30戦28勝(20KO)2敗。チャベスはWBC同級ダイヤモンド王者セルヒオ・マルチネス(亜)との頂上対決が計画されており、プロモーターのトップランク社からは9月15日にラスベガスのトーマス&マックセンターで開催という具体案も出ている。

　アンダーカードにはIBF世界ライト級王者ミゲール・バスケス(メキシコ)がノンタイトル10回戦に出場。世界王座挑戦の経験を持つダニエル・アッター(ナイジェリア/米)に三者一致の100対90という一方的な判定勝ちを収めている。
　バスケスは34戦31勝(13KO)3敗。4連敗のアッターは39戦26勝(9KO)11敗1分1無効試合。