WBA世界ヘビー級タイトル戦

○アレクサンデル・ポベトキン(露)
12回判定(2-0)
×マルコ・フック(セルビア/独)

　体重で約9キロ勝るなど体格で上回るポベトキン有利が伝えられたカードだが、試合ではフックの善戦が目立った。
　ともに前半は相手の出方をみたのか比較的落ち着いた展開だった。ポベトキンがスピードを生かして左右のストレートを上下に散らして攻めれば、フックも4回あたりから反撃の構えをみせ、拮抗したラウンドが続いた。
　5回になるとポベトキンに疲労の色がみえ始める。これを機にフックが攻勢に転じ、打撃戦に突入。7回以降はチャンスとピンチが交互に訪れる乱戦となり、ポルシェ・アリーナの観衆は大いに盛り上がった。10回、挑戦者の右目下が切れ、周辺の腫れも目立ち始める。それでもフックは食い下がり、最終回には疲労の目立つポベトキンを追い込んで試合終了のゴングを聞いた。
　勝敗は微妙なところだったが、採点は114対114、116対113、116対112の2-0。マジョリティ・デシジョンでポベトキンの手が挙がった。
　辛うじてベルトを守ったポベトキンは24戦全勝(16KO)。フックは36戦34勝(25KO)2敗。