チャーリー太田vs石田順裕

　東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトル戦を行う予定だった王者・チャーリー・太田(八王子中屋)と挑戦者・日本同級5位の和田直樹(花形)の一戦は、和田選手の怪我により中止となった。そのため、急きょ予定を変更し、チャーリー・太田と元WBA世界スパーウェルター級暫定王者・石田順裕(グリーンツダ)による公開3ラウンドスパーが行われた。

　1R、ヘッドギアを付けての公開スパーは、身長で10cmほど上回る石田のプレスに対し、やりにくさを見せたチャーリーだったが、2Rに入ると実戦さながらに、チャーリーが石田の懐に入って、アッパーと右ストレートを打ち込むと、石田もそれに対し、ワンツーで打ち下ろしの右ストレートを見せ静まり返った会場には、時よりどよめきが起こった。3Rには、チャーリーがノーガードから、ノーモーションで左ストレートを繰り出すなど、世界水準のスパーで観客を魅了した。

　スパーの後、正式に日本タイトルを返上したチャーリーは、来年の2月か3月に母国アメリカで試合をする予定があると話した。米国での凱旋試合を前に「自分はアメリカ生まれだが、ボクシングは日本のボクシングをする。」と意気込みを語った。

　2年ぶりに日本のリングに上がった石田はスパー後「久しぶりに後楽園のリングに立ててうれしい。」今年アメリカの新鋭ジェームス・カークランドを1RKO勝利したことに関して、「勝つ自信はあった。」と笑顔で話し、スパーを行ったチャーリーに関して、「以前から興味のある選手とスパーが出来てよかった。将来は、世界戦のリングで試合をしたい。」とリップサービスも忘れなかった。

■囲み会見:石田選手の話
「今夜は、チャーリー選手とのスパーリングでしたが、僕も久しぶりに日本のリングに立ったので、やはり興奮しました。
今夜のコンデションは、完璧な状態ではなかったですが、それなりですかね。
まぁ、チャーリー選手とのスパーで少しは僕らしさを見せられたとは思います。
(カークランドに勝ったことで)色んな選手からオファーが来ているという意味で僕にとっては良い年でした。
まだ決定してはいませんが、来年1月21日に米国・ニュージャージー州で元世界ウェルター級元世界Sウェルター級の2階級チャンピオンのポール・ウィリアムスと試合をする予定です。
僕は、チャンピオンになるよりもビッグ・ネームの選手と試合をすることが好きなので とても楽しみにしています。」と石田の挑戦はまだまだ続く。

■囲み会見:チャリー選手の話
「Sウェルター級以上の場合、日本では世界水準の選手と戦ったり、練習相手を探すのが難しいので、石田選手とスパーが出来てよかった。今夜は石田選手と戦ってみたことで、この階級で世界でも十分やっていけることをファンの皆さんに証明できたと思う。自信が確信に変わったよ。
今夜、日本チャンピオンのベルトは返上したけど、日本のリングに上がらないわけじゃない。クリスマスとお正月は日本で過ごして、相手はまだ決まっていないけど、来年の2月か3月に米国で試合をやる予定だよ。 その後は、日本と米国の両方で試合をやっていく予定でいるよ。」と来年のプランを明かした。