QUEEN富樫、海外進出!?

　WBC女子世界ライトフライ級王者"QUEEN"富樫直美(ワタナベ)の7度目の防衛戦が30日、後楽園ホールで行われた。
　富樫に挑む元WBA女子世界ミニマム級王者・孫チョーロン(韓国)は、ここまで11勝(3KO)1敗。敗戦は多田悦子(フュチュール)に破れたのみで、先月1日には2年ぶりの復帰戦に勝利。今回、2階級制覇を狙う孫は、王者・富樫に臆せず、開始から猛然と左右フックで襲いかかった。

　序盤、孫との打ち合いに引きずられかけた富樫だが、徐々に落ち着きを取り戻すとバックステップで距離を作り、右ストレート・ボディで攻勢に転じた。ペースを握った富樫は、その後もボディからストレート・アッパーを打ち込み続け、タフネスさを見せた元世界王者を相手にほぼフルマークの判定3-0(99-91,99-91,100-91)で、見事7度目の防衛に成功した。

　試合後、フルランドを戦い抜いた富樫は、控え室で試合を振り返った。「相手のパンチはほとんどがフック系なので、バッティングにだけは注意した。応援団が沢山来てくれたので、もっとスカッと勝ちたかった」と悔しがるも、今後については、反省があって大きなことは言えないとしつつ統一戦も含め、世界の強い選手と戦いたいと意欲を見せた。

　同席した渡辺均会長は「低く入る相手にあれだけの試合が出来たのは、さすがは王者」と富樫を労い、「次は指名挑戦になると思うが、メキシコ進出の契約も進めている」と、富樫の海外進出プランを明かした。

　指名試合となれば、シルバーチャンピオンで同級1位のエスメラルダ・モレノ(メキシコ)が濃厚。今回は流れてしまったメキシコでの防衛戦だが、次回以降に実現する可能性が高くなった。