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[試合後会見]2023.12.26

井上尚弥vsタパレス! 歴史が動いた!

 WBC・WBO世界スーパーバンタム級チャンピオンの井上尚弥(30=大橋)が26日、男子ボクシング史上2人目となる2階級世界4団体統一が懸ったWBA・IBF統一王者のマーロン・タパレス(31=比)との頂上決戦に臨んだ。
モンスターが4団体統一王者!
 緊張感に包まれる中、先手を奪った井上がワンツーをガードの上から叩きつけて攻勢を見せると、4回、左フックからロープに詰めて先制のダウンを奪った。ゴングに救われたタパレスだが、そこから固いガードとボディワークで強打を回避。9回には左ストレートを放ち、勝利への執念をみせるが、10回に入ると井上は右ストレートをねじ込み、10カウントを聞かせた。井上が2階級での4団体王座統一の快挙を成し遂げた。
「10ラウンドのダウンはびっくりした」
 リング上でマイクを握った井上は「タパレス選手、ありがとうございました。思った通り非常にタフで強い選手でした。今は、とりあえず勝ててホッとしています。試合を通じてポイントをリードしているのは感じていましたが、相手がポーカーフェイスだったので、効いているのかなと。10ラウンドに倒れた時は、正直びっくりしました。もらったパンチもあったし、チームも非常にピリピリしていました。来年5月の試合が実現するかどうかは、またこれから試合に向けて交渉が続くと思います。これからも皆さんが見たいと思う試合をしていきたいと思いますので、ぜひ声を上げてください。今日は皆さんに良い試合を見せることができて嬉しく思います。皆さん、良いお年をお迎えください」と超満員15000人の観客にアピールした。
「判定で勝つことは考えていなかった」
 いつもと同じように、井上は試合後と思えないきれいな顔で登場した。「スーパーバンタム級に上げて、7月と今夜の2試合で4つのベルトが取れてホッとしている。自分はタパレスの攻撃力を過大評価して対策してきたが、それ以上にディフェンスが優れていて、思うようにパンチを当てられなかった。10ラウンドに倒れた時は、手応えは無かったので驚いた。4ラウンドにダウンを取った後は、駆け引きもあって攻め方を変えた部分もある。7〜8ラウンドはタパレスをどう崩していくか、突破口を探していた。判定で勝つことは考えていなかった」と、最後までKO決着にこだわったことを明かした。
2024年も井上尚弥!
 「今年は4本のベルトを巻いた幸せも感じたし、関係者へ改めて感謝したい。今後、このベルトをどうしていくかという、楽しみもある」と2024年に向けての心境を語った。
「スピードに驚いた」
 顔の傷はあったが、試合と同じくポーカーフェイスで会見に応じたタパレスは「まずは、今夜は幸運の女神が私に微笑まなかったが、神に感謝する。井上は予想通りうまかったが、何よりスピードに驚いた。井上のスピードに追いついていけず、自分のタイミングで試合をすることができなかった。10ラウンドのダウンは、井上のパンチがきれいに入ってしまった。すべてのパンチが強かった。この試合で自分のできることをやり尽くしたが、及ばなかった。これから井上と闘うボクサーには、『グッドラック』」 と苦笑いした。

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