五十嵐、次は世界挑戦!

　WBC世界フライ級王座の次期挑戦権をかけ、同級1位・ウィルベルト・ウイカブ(メキシコ)と同級2位・五十嵐俊幸(帝拳)の12回戦が6日、東京・代々木第二体育館で行われた。

　序盤、頭一つ低いウイカブに探りを入れていた五十嵐は、中盤に入るとウイカブを引きつけ左ストレートをヒット。さらにボディ、アッパーを有効に使い、途中ジャッジでリードを拡げた。
　パワフルなワンツー・ボディが持ち味だったウイカブだが、五十嵐のボディに苦しめられ終盤は失速。五十嵐も11ラウンドに左目上の負傷により視界を妨げられワンツーヒットを許したが、スタミナが落ちたウイカブに左ボディでポイントを取り続け、判定0-3(113-114,112-116,111-116)で逃げ切り、世界王座挑戦権を獲得した。

　試合後、敗れたウイカブは、五十嵐とは噛み合わなかったとコメントするも「足が速くついていけなかった。もう一度やりたい。次はKOできる」と、五十嵐が王者になった暁にはリベンジしたいと意気込んだ。

　一方、控え室に戻った五十嵐は痛めた目にアイシングしながら「前半でどう戦うべきかが見えた。接近戦では敵わないと思い、足を使って出来ることをやった。効いたパンチもそんなにはなかった」と試合を振り返り、最後までブレずに戦えたことが勝因だとした。

　挑戦権を得たが、王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)については「今のままでは勝てない。スピードは通用すると思うが、体力とメンタル面。これからそこの差をどう縮めるかが課題」とし、早速明日からでもトレーニングを開始したいと話した。

　遂に絶対王者ポンサクの頂きまで辿り着いた"Super Sonic"五十嵐。今後はその眼前に立つべく更なる進化が必要となる。