山中!緑のベルトを腰に

　11月6日、代々木第二体育館で行われたWBC世界バンタム級王座決定戦で、メキシコ出身の対戦相手クリスチャン・エスクベルを11ラウンドにTKOで倒し、山中慎介(帝拳)がついに憧れ続けた緑のベルトを腰に巻いた。

　試合後の会見に姿を現した新世界チャンピオン山中慎介は開口一番「序盤の動きが固かった。打ち終わりにガードがあまくなったところをもらった。」と以外にも反省の言葉が先に出た。「踏み込んでしっかりと打てた。相手は打ち終わりしか狙ってこなかったので、右だけを警戒した。」と試合を振り返り「向かってきても相手の左は迫力がなかった。右のジャブで相手の勢いを止められた。」と絶対の自信を持つ『左ストレート』に新たな武器が備わったことを確信した。

　ただ、「最初に奪ったダウンはそんなに入った感じはなかった。序盤にノーガードでいってダウンを奪われたことで慎重になった。」とリング上での心情を語った。
　勝ちペースで進む中で起こった停電による試合の中断に関して、「相手がキャンバスに座って休んでいたので、回復されるんじゃないかと思った。夢だったら・・・と思った。」と記者団の笑いを誘った。

　ついに手にした緑のベルトの感想を聞かれると「追いかけ続けたベルトがパッと手に入ると実感がわかない。不思議な感じ。」と笑顔を見せ、最後は「WBC世界王者の名に恥じないよう、もっと強くなって、強い相手を倒してみんなに認められるようになりたい。」と決意を語った。

　一方敗れたエキクベル選手は、山中選手の印象を聞かれ「打ち負かすのは困難ないいチャンピオン。やり難くて戦うのは非常に難しかった。」と新王者を称え、「もっと足を止めて打ち合うのかと思っていたが、そうではなかった。(構えを)スイッチしたのは流れを変えたかったから。もっとプレッシャーを掛けたかったが、山中の方が自分を上回った。」と試合を振り返り、(TKO決着した)最後のラウンドに右目を抑えたのは「左ストレートが入った。」と山中の伝家の宝刀『左ストレート、ライトニング』の強さを明かした。