佐藤、無敗挑戦者を迎え!

　1日、後楽園ホールで開催された「ガッツファイティング」のメインイベントには、日本スーパーフライ級王者"みちのく魂"佐藤洋太(協栄)が5度目の防衛戦として、"無敗の挑戦者"日本同級3位・大庭健司(FUKUOKA)を迎え撃った!
　開始早々、王者・佐藤がロングレンジのジャブで挑戦者・大庭の顔面を捉えると、突き刺すような右ストレートで膝を揺らし、一気に試合の主導権を引き寄せる。
　挑戦者も24戦無敗の意地から右ストレートを打ち返すが、王者は鋭いジャブで反撃の隙をあたえず、的確に右ストレートを打ち込んでいく。

　そして4ラウンド、佐藤はリーチを活かした右ストレート・右アッパーで大庭の腰を沈め、追撃のワンツー連打で"無敗の挑戦者"をキャンバスにダイブさせると、大庭陣営からタオルが投げ込まれた。

　敗れた大庭は試合後「(王者は)強かった。ジャブが勝敗を分けた。最後はバタバタとやられてしまった。国内の選手とは新人王戦以来だが、試合は楽しかった」と語り、この敗戦をこれからの経験に繋げたいと前を向いた。

　一方、世界挑戦を見据えたV5戦を完勝で締めくくった王者・佐藤は、控室で試合を振り返り「色々と試しながら戦った。大庭選手とは相性も良かった。今日の試合内容なら"80点"をあげても良いかな(笑)。本当に戦いやすかった。あの距離で戦えれば僕は誰にも負けない!」と満面の笑みを浮かべる。
　挑戦者・大庭の印象を求められ「良い選手だとは思うが、僕には真っ当にここまで歩んできた自信がある。裏道というか、上手く言えませんが…」と言葉を濁すと、新井トレーナーが「大庭選手は1位の時に"戦いませんか?"と声を掛けたが断ってきて、ランキングが3位に落ちたら最強後楽園にエントリーもせず挑戦状。この結果が現実でしょう」と佐藤の気持ちを代弁した。

　愛弟子・佐藤の圧勝劇に協栄ジム金平会長は「キャリアの差が出た。佐藤はパンチも切れていて本当に強かった。これからの佐藤のためにもスーパーフライ級で"誰が一番強いのか!"を決めようと言いたい。WBA王者の清水選手は戦うまでに何かとありますので、名城VSスリヤンの勝者に挑戦させたい。チャンスはきている!」と来年の世界挑戦をアピールした。
　最後に佐藤は「言いたいことはまだまだありますが、ネットで書かれても困るんで止めておきます(笑)。でも本当に今日は楽しく戦えました。これからもっとトリッキーな動きに磨きを掛けたい。まだ見せていない動きも沢山あるんですよ!」と饒舌な日本王者であった。

　無敗の大庭を問題にせず、佐藤洋太はその強さを見せつけて日本スーパーフライ級王座V5防衛を成し遂げた。"みちのく魂"の見つめるその先には、"世界最強の頂"しか映っていない!