五十嵐!距離が勝負のカギ

　11月6日にWBC世界フライ級挑戦者決定戦のリングに立つ同級3位の五十嵐俊幸(帝拳)が、公開練習を行った。
■対戦相手は同級2位のウィルベルト・ウイカブ(メキシコ)

　公開練習前に行われた記者会見に姿を現したサウスポー五十嵐は、約12キロの減量を順調にこなしていると説明。今回は、所属する帝拳ジムに栄養士を手配してもらい「正直、楽になった。」と9月後半より始めた減量を振り返った。栄養士のアドバイスの下、食事管理を任せる夫人を初め、家族との絆に感謝し、愛妻家の一面を見せた。

　会見に同席した帝拳ジム浜田代表は「五十嵐は今まではなんとなく戦ってきたが、今回は意気込みが違う。」と世界王者への挑戦権が掛かったこの一戦の重みを代弁。これに、五十嵐自身は「これまでもその時々の目標があった。(プロで実績を積み上げ)自信がついたので上が見えるようになった。」と心情を明かし、「アマチュア時代には雲の上の存在だった世界王者に対戦するチャンス」と、この試合に最大限集中しているとした。

　試合の展望を聞かれた五十嵐は「相手次第で展開が変わると思うが、負ける相手じゃない。」とキッパリ。「出入りのボクシングが出来る頑丈そうなボクサー」と相手の印象を語り「自分のいいところを出し切る。チャンスがあればKOする。」と力強くコメント。浜田代表は「どの距離で戦うのか。距離の取り方が試合の鍵を握るでしょう。勝負は後半。」と分析した。

　公開練習では日本フェザー級5位で同門の松田直樹選手とスパーを3ラウンドこなし、スピードを活かして自身の距離で戦えるよう調整した。

　スパーの後のミット打ちでは、コンビネーションの確認に加えリングを大きく使い、試合の鍵を握る距離の保ち方と詰め方を入念にチェック。対戦相手の研究と対策に余念はなく、この日の練習にも反映されていた。