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[前日計量]2023.3.19

注目の日本バンタム級戦!堤聖也vs南出仁

 日本バンタム級タイトルマッチの前日計量が19日、都内のJBC(日本ボクシングコミッション)事務局で行われ、チャンピオンで2度目の防衛戦に臨む堤 聖也(27=角海老宝石)は、53.5kgで一発クリア。ランキング1位の最強挑戦者、南出 仁(27=セレス) もリミットまで100グラム残して、53.4kgでクリアした。

堤聖也(角海老宝石)53.5kg

 足取りも軽やかに計量会場入りしたチャンピオンは「減量も良かった」と切り出すと「明日の試合は、準決勝のような位置付け」と述べ、アマチュア時代に準決勝敗退を繰り返した自身を引き合いに「ここをクリアしたい」と気持ちを高めた。「最初は『いい戦い方、世界を見据える戦い』を考えていたが、今は、シンプルに殴り合いに勝つ! 倒されたら、倒し返せばいい」と覚悟も決めた。

 アマチュア時代には、大きな大会でも決勝戦まで勝ち進んでいた南出に関して、「スピードとパンチ力があって、足を使うアウトボクシングも上手」と格上の相手との認識を示した。それでも「総合力では、自分が上」と、日本チャンピオンの貫禄を見せた。

南出 仁(セレス) 53.4kg
 初戴冠に向けて、やや緊張感もあった南出は「ボクシングを始めて12年だが、タイトル戦は重い。アマチュア時代は、高校選抜、国体2回、全日本1回 と4回準優勝だった」と、大一番で惜敗してきたことをバネに、ここまで辿り着いた。「2連敗してから、一戦一戦にかける思いが強くなった。スキル的にも今が一番強い。技術はセレスジムで学んだ。それまでは、スピードとパワーとスタミナだけだった」と、プロ転向後の自身の成長に自信を示した。計量会場に同席したセレス小林会長も「ここ半年で、別人ぐらい変わった」と太鼓判を押した。

 チャンピオンの印象を問われると「パンチが強くて、よく動く。しっかりガードするし、スタミナもあるいい選手」と高く評価したが、アマチュア時代は、階級も違ったことから、強くは意識していなかったとし、堤が日本チャンピオンになり、「挑戦する可能性が出てから、気になるようになった」と明かした。
 
3月20日(月)後楽園ホール
 バンタム級は、世界のトップ戦線でも日本人選手が活躍しているが、「まずは、日本。そして、アジア」と浮ついた様子は全くなく、小林会長も「日本タイトルは、地域タイトルの中でも特別。日本チャンピオンになって、誰もが認めるようになってから。世界は誰でもが挑戦しちゃダメだと思う」と明日の試合に集中している南出の、謙虚で地に足がついた姿勢に頷いた。

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