師弟による世界奪取!

　1990年2月、後楽園ホールで"フェニックス"大橋秀行は、WBC世界ミニマム級王座を獲得、当時1年3ヶ月の長きに渡り、世界王者不在であった日本ボクシング界の救世主と呼ばれた。
　引退後、大橋秀行は大橋ジムを主宰し、自分と同じ階級であるミニマム級の世界王者候補・後継者として、"音速の拳"八重樫東を育て上げた。
　そして10月24日、八重樫は師弟によるミニマム級世界王座奪取を目指し、21年前に大橋会長が世界王座を戴冠した後楽園ホールにおいて、WBA世界ミニマム級王者ポンサワン・ポープラムック(タイ)に挑戦する。
　愛弟子の"運命の一戦"を目前に控えた大橋秀行会長が、ボクシングモバイルに「ポンサワンVS八重樫」戦の展望を語った。

大橋ボクシングジム
大橋 秀行会長
■まず王者ポンサワンをどう分析していますか?
大橋　王者はボクシング以外にムエタイのキャリアも長く、"タフ"でありガンガン前に出てくるファイターですね。八重樫にとって戦いにくい部分もあるが、ガードが甘いところもあるので、パンチを当てやすい。良い試合になることは間違いない!

■ポンサワン戦の作戦は?
大橋　作戦としてどうこうは無い。八重樫がこれまで培ってきたボクシングをリングの上で実践できれば問題ない。僕は八重樫が普通に勝てると思っています。

■ポンサワン戦の試合展開は?
大橋　開始のゴングと同時に、王者はすぐに前に出てくると読んでいます。ここで打ち合って足を止めるか、動いてスピードでさばくか。これは八重樫がポンサワンと向かい合ったときの流れ、空気でどちらに踏み切るかですね。

■八重樫選手の調整は?
大橋　まさに"絶好調!"です。世界王座奪取に向け、準備は着々と整っている。八重樫の仕上がりは良い感じですよ。期待して下さい!

■師弟による同階級の世界王者誕生に期待大ですね。
大橋　場所も僕が世界タイトルを獲った後楽園ホールですし、感慨深いですよ。発表会見では"KOで世界奪取!"とコメントしましたが、タイトルマッチが近づいてくると"勝って欲しい…。"ただそれだけです(笑)。

■同じ階級にWBC世界同級王者・井岡一翔選手がいますが。
大橋　八重樫がWBAを獲ったなら、WBC王者・井岡君と"世界ミニマム級王座統一戦"という夢のカードも考えられる。実は井岡ジム井岡会長と僕は、同じ時代を過ごしたライバルなんですが、結局は最後まで拳を交えることはなかった。

■八重樫VS井岡が実現したら夢のカードですね。
大橋　僕達の現役時代は、「大橋VS井岡」はファンが観たいNo.1カードだった。引退後は互いに会長となり、井岡会長は甥が世界王者に、僕は愛弟子が世界王者になろうとしている。「八重樫VS井岡」が実現したならば、まさに時代を超えた夢の一戦でしょう(笑)。

■最後に八重樫選手の世界奪取を期待するファンにメッセージを!
大橋　西岡君が日本人の悲願、ラスベガスでの世界王座防衛という"夢の扉"を開けてくれた。日本ボクシング界は今まさに最高潮に達している。この戦いをどれだけ多くの人達、一般の人間に伝えられるか。それが実現したとき、ボクシングは爆発的な人気となるし、そうしないと。八重樫の戦いは一般の人が観ても面白いボクシングになるはずです。24日は八重樫が、変幻自在な戦いで世界王者となる場面を観て下さい!

■WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦
王者ポンサワン・ポープラムック(タイ)VS挑戦者・八重樫 東(大橋)
■日時:10月24日(月)
■会場:後楽園ホール
■お問合せ:大橋ジムTEL.045-314-1994