多田、"聖地"初参戦は!?

　WBA女子世界ミニマム級王座を戴冠し、5度のタイトル防衛に成功している"浪速乃女番長"多田悦子(フュチュール)。
　これまで多田は関西地方を中心に防衛を重ね、海外ではトリニダード・トバコでタイトルを守るなど、日本女子ボクシング界の第一人者として活躍してきたが、世界王者として22日、遂に"ボクシングの聖地"後楽園ホール初参戦を果たした。
　王者・多田のV6戦は"秦国の強豪"ノンマイ・ゴーキャットジム(タイ)を挑戦者に迎え撃つも、立ち上がりから左ストレートを打ち込み、ノンマイをコントロールする試合展開となった。

　挑戦者もワンツーで距離を詰めようと反撃を試みるが、王者はバックステップで距離を保ち、的確な左ストレート・右フックでポイントを奪い続ける。
　終わってみれば、ジャッジ2者がフルマークとなる判定3-0(98-92・100-90・100-90)で、王者・多田が磐石のタイトル防衛を成し遂げた。

　試合後、後楽園ホール初登場に多田は「東京でナイスファイトを観せたかったが、力み過ぎてしまった〜!まだまだ課題が尽きない。これからもっと強くならないといけませんな(笑)」と王座防衛にも照れ笑い。続けて多田は「だけど私の思い通りの展開、試合結果になった。いつも試合前、願いを紙に書いてリングに上がるんで!」と願掛けを明かすと、記者団から願いの内容を求められ「今回は"安藤と2人で世界のベルトを持って帰る。そして私達の周りが全て笑顔になりますように"と書きました。実現したでしょ!」と安堵の表情。

　そして世界王者の役目として多田は「私の試合で少しでも多くの人達が笑顔になってくれれば。ボクシングで世間に貢献できればと思う。ボクシングを観ることで、生きていることの大事さ、今を生きることの大切さを感じて欲しい。ボクサーとして私が伝えていきたい!」と"熱い胸の内"を語り、最後に「男女問わずボクシングを盛り上げ、魅力を伝えていきたい。皆でできることをしていこう!宜しくお願いします!」と力強く締めくくった。

　WBA女子世界ミニマム級王者として、多田悦子は日本人女子最多防衛タイ記録「V6」に成功した。これから"浪速乃女番長"が、いかに日本の女子ボクシング界を盛り上げていくのか、注目して頂きたい!