元日本1位の大川泰弘氏がジムをオープン

　元日本ウェルター級1位の大川泰弘氏(38)が、8月6日(土)、東京都大田区に「池上Boxing studio TAIGA」をオープンした。

　2度の日本タイトル挑戦を経験し、2016年11月の試合を最後にグローブを吊るした大川氏は、「ずっとボクシングに携わりたかった」と一大決心し、自宅から近くの場所にジムを構えた。ジム名は、長男の泰駕(たいが)君の名前をつけた。

　東急池上線池上駅徒歩5分で、ジムに到着すると「お久しぶりです!」。約6年ぶりに会った大川代表は、笑顔で出迎えてくれた。

池上Boxing studio TAIGA

住所:東京都大田区池上3丁目30-6
最寄り駅:東急池上線池上駅徒歩5分
営業時間:
平日:
　午前10:00〜13:00、午後15:00〜22:00
日曜・祝日:
　午前10:00〜13:00、午後15:00〜18:00
定休日:月曜日、第2・4木曜日
TEL:03-6760-3302

　元々、倉庫だった場所を改装して、2階建てのジムを設立した。真新しいジムの1階には「どうしても置きたかった」というリング、サンドバッグ2基と、シンプルな作り。2階は、トレーニング機器が充実しており、たっぷりと汗を流すことができる。

　「池上Boxing studio TAIGA」では、ボクシングトレーニングのほか、パーソナルレッスン、さらに大川氏によるストレッチ、骨盤調整も行っている。

　SNSや街中でのチラシ配りの効果もあり、一般会員は着々と増えているという。

　現役時代からエレベーター会社で正社員として勤務していた大川氏。「将来性もあり、やりがいのある仕事だったが、いつかボクシングに携わりたいと思っていた。一度の人生だし、好きなことでご飯を食べていこう」と、ジムオープンに至った思いを語った。

　責任感が強く人望が厚い大川氏は、会社からも強く引き留められた。そのため、仕事をしながら1年間、パーソナルトレーナーの養成スクールへ通い、3つの資格(NSCA認定パーソナルトレーナー、姿勢調整法、救命技能認定)を取得。ジム設立に向けて準備を進めてきた。

　現役時代、仕事の兼ね合いなどで2年半、ボクシングから離れた時期があり、その間に長男が誕生した。「自分の中で、世界の色が変わった。息子が生まれた時の感動は、二度と味わうことがないくらいだった。息子を見て『もう一度ボクシングをやって、息子をリングに上げたい』と決心した」。そんな長男への思いも込めて、ジムの名前を付けたという。

　「自分は、コンビを組んでいた石原さん(石原雄太トレーナー/現:角海老宝石ジムトレーナー)のことを尊敬していて、石原さんのように根拠に基づいたアドバイスができるようになりたかった。例えば、『強くなりたい』なら、どう強くなりたいか。そのためにはどうしていけばよいか。気持ちの持っていき方から自信を持って教えていくことができる」。

　大川氏のほかには、現役ボクサーや引退したボクサーが手伝いにきて、サポートしている。「お願いすると、皆快く手伝ってくれて本当にありがたい」。

　「ボクサーって、貧乏だとか社会性がないと思われがちで、現役時代はそれがすごく嫌だったので、収入や安定、社会性にこだわりを持っていた。しかし、引退してみて、裸一貫、男として勝負したいと思った。これまで守ってきた安定がいらなくなった」。アットホームで丁寧な指導をしてくれる「池上Boxing studio TAIGA」に、ぜひ一度足を運んでもらいたい。