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[電話取材]2022.6.9

近藤明広「意地のぶつかり合いになる」

 元WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王者の近藤明広(37=一力)は、6月14日(火)に後楽園ホールで開催される「ダイヤモンドグローブ」のセミファイナルにおいて、OPBF東洋太平洋同級王者の麻生興一(36=三迫)に挑戦する。

 近藤と麻生は、2008年の東日本新人王トーナメントにエントリーしていたが、対戦することなく月日が流れて、14年後の今回、ついに拳を交える。決戦を直前に控えた近藤に、今の心境を聞いた。
1年半ぶりのタイトル戦
 2020年12月、当時の日本王者・永田大士(三迫)に挑戦(7回負傷引き分け)して以来のタイトルマッチに挑む近藤は「前回のタイトルマッチと同じダイヤモンドグローブで、三迫ジムの選手との対戦。やり返す意味でも、しっかりとベルトを獲りたい」と力が入っていた。
麻生とは同じ2006年デビュー
 「(麻生選手とは)デビューした年が同じで、新人王時代から知っているのでいつか対戦するのかなと思っていたが、ここにきてやるんだなという思い。周りからは『(これまでに)対戦してそうだけど? 初めてなんだね』と言われる」
「最後は、気持ちの勝負になる」
 「グイグイと前に出るスタイルは変わらないが、頭を振るスピードが上がった。しかし、良い意味で変わっていない。内藤君(内藤律樹=E&Jカシアス)が捌き切れなかったので、そう簡単には攻略できないと思っている」とチャンピオンの強さを警戒。その上で「下半身強化とスタミナをアップしてきた。最後は、気持ちの勝負になる」と総力戦を覚悟していた。
「前半からペースを握っていく」
 20代の頃はスピードとカウンターを武器に、日本王者となった近藤だが「年齢を重ねて、単にパワーやスピードで押し切れなくなってきた。そこで何ができるかというと、相手を崩していくことを意識するようになった」と、ここ最近は老獪なテクニックを見せている。「自分は、後半に尻上がりで良くなっていくタイプだけれど、今回は前半からしっかりとペースを握りたい」。
「この試合にすべてをかける」
 「これまで何度も辞めると言って、その度に続けてきたので、嫁には諦められている」と電話口で笑った近藤は、「ここまできたら意地。年齢や怪我を理由に辞めるのではなく、自分に嘘をつかずボクシングをやり切りたい。欲を言えばタイトルを獲って、行けるところまで行きたい。先のことは考えない」と次戦に全身全霊をかける。

 「2人の年齢(近藤・麻生)を合わせると、70歳を超える(笑)。世界レベルではないかもしれないけれども、感動を与えられるような試合を見せる」と好ファイトを約束した。

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