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[試合後談話]2022.4.27

新宿のど真ん中で激戦!

 東日本新人王トーナメント予選が27日、新宿FACEで行われ、11月3日の決勝戦を目指して新人ボクサーが熱戦を繰り広げた。

 第2試合バンタム級4回戦では、トト江嵜(25=本望)と熊田龍彦(33=三迫)が激突した。
熊田龍彦(三迫)が2勝目
 2回に左ボディで動きを止めた熊田は、ボディへの連打で攻勢。防戦一方になった江嵜を見てレフェリーが割って入った。
「自分のボクシングで勝つことができた」
 試合後にボクモバの取材に応じた熊田は「初回に良いパンチを浴びてヤバいなと思ったが、2ラウンドが始まる前にアドバイスをもらって、自分が得意としているボディ攻撃に切り替えた。自分は泥臭いボクシングしかできない。このスタイルで勝てたことがうれしい」と笑顔を見せた。
30歳でプロボクサーへ
 19歳で関西のジムでプロライセンスを取得した熊田だったが、「試合をする自信はなかった」とデビューはしなかった。「自分は根っからのボクシングオタク」という熊田は、保険代理店で仕事をしながら時間を見つけては「後楽園ホールのバルコニー席から試合を見ていた」と言う。しかし、「どうしても一度だけリングに上がりたい」と30歳で仕事を辞めてジムに入門した。今では勤務していた会社から「ボクシングをすることに理解してもらって」と再び勤務している。

 「麻生さん(麻生興一)と細川さん(細川バレンタイン)さんの試合(※2017年12月14日)を見て、麻生さんを応援するジムの方々の熱さに惹かれて」と名門・三迫ジムの門を叩いた。トップ選手が揃う同ジムにおいて「自分がいるのは場違いだと思う毎日」と雰囲気に圧倒されることもあるが、指導を受けている横井龍一トレーナーから「叩き上げの4回戦ボクサーもしっかりと受け入れてくれるのがこのジムの良いところだから」と励まされ、日々汗を流している。
「後楽園ホールで勝ちたい」
 昨年1月に念願のデビュー戦に臨んだ熊田だが、初回わずか27秒でTKO負けを喫した。「何がなんだかわからないうちに終わってしまった。でも、一度だけ夢だったリングに上がることができた」と最後の試合にしようと思ったが、その日の夜に横井トレーナーから「勝つまで諦めるな」と熱いメッセージをもらい奮起。同年10月に茨城県つくば市で初勝利した。
 「横井さんのLINEがなかったら、とっくに引退していました」と話すと思いが込み上げた。

 「自分は今でもボクシングファンで、昔から新人王トーナメントが大好き。出場したからには優勝を目指している」と話すと、「まだ後楽園ホールで勝っていないので今度こそ勝つ」。33歳の熊田は一歩ずつ階段を上っていくつもりだ。

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