ガンボア登場!!

　7日付のニュースで中止が発表された、前WBA&IBF世界フェザー級王者ユリオルキス・ガンボア(キューバ/米)のスパーリングだが、急遽8日、都内の角海老宝石ジムで日本ライト級王者・荒川仁人(八王子中屋)とのスパーリングが実現となった。
　ガンボア陣営の意向もあり、ジムの窓は外から目隠しのブルーシートで覆われ、ジム内には異様な緊張感が漂っていた。

　角海老宝石ジムの選手、練習生、関係者が見守る中、世界トップ選手と日本王者との6ラウンドのスパーリングが開始された。

　一目でバランスの良さが窺えるガンボアは、初回から鋭く踏み込むと、早くも強烈な左フックを披露。ズバン、ズバンと音がなる度に、リングサイドからどよめきが聞こえた。

　カウンターを得意とするサウスポー荒川を柔軟な体と無駄のないステップで捌くと、そこから野性味あふれるワンツー、フックで荒川をコーナーに押し込み、抜群の回転力も見せた。だが、荒川も徐々にタイミングが合い始め、右フックを一発入れガンボアを揺らすと、ラストは激しい打ち合いの中、左ストレートを合わせていた。
　スパーリング前、「自分の技術がどこまで通用するのか確かめたい」と語った荒川は終了後、「スピードが速く対応できていなかった。手数もあってコンビネーションも喰らってしまった。勉強になりました」としたが、自信にもなったと話した。

　また、観戦していた角海老宝石ジムの加藤善孝は「荒川のディフェンスも良かったが、ガンボアの身体能力はケタ違い。それでも、自分もやってみたい」。下川原雄大は「軸がしっかりしている。素晴らしかったし、勉強させられた。自分はやりたくないです(笑)」。コーチ義人は「ボクシング以前の問題。体幹、内部の筋肉が日本人とまったく違うと感じた。自分が今やっている、体幹を鍛える練習も間違ってはいないはず。ああいうのを目指したい」と、それぞれに刺激を受けた様子。

　この後、ガンボアは8日の後楽園ホールの試合を観戦。会場に訪れていた世界王者・内山高志(ワタナベ)と挨拶を交わしていた。