淵上vs細川、変則対決は?

　日本ミドル級王者・淵上誠(八王子中屋)の3度目の防衛戦が8日、後楽園ホールで行われた。昨年10月の王座獲得から3連続KOの快進撃を続ける"薩摩コング"淵上は今回、同級6位の細川貴之(六島)を挑戦者に迎えた。
　試合は序盤、挑戦者が独特の低い姿勢から左右に動き、ジャブで距離を詰めると、左右ボディ・左アッパーを打ち込んで王者のリズムを崩す。

　サウスポー淵上は、素早い出入りの細川にペースを握り掛けられるも4ラウンド、振り抜いた左ストレートが細川を捉えダウンを先制。立ち上がる細川は、左右ボディ・左ストレートで反撃するが、王者の変則的な動きに距離を詰められず。すると6ラウンド、淵上は右フックで細川の動きを止め、左ボディストレート・右アッパーで畳み掛けると左ストレートが顔面を貫き、レフェリーストップを呼び込んだ。

　4連続KOで見事V3防衛を果たした王者・淵上。先月の七夕に入籍した翔子さんを伴い、喜びの会見を開いた。「なかなかコンビネーションが当たらなかったが、セコンドの指示に従い、相手をよく見たおかげで狙い通りにパンチが入った。ただ、もう少し早く自分でそれに気がつけないと、上は目指せない。反省と良い勉強になった」と試合を振り返った。

　さらに「結婚して、最高のモチベーションで臨めました。体調管理もしっかりとやってくれる」と、にやけ顔。学生時代からトライアスロンの競技者として活躍する翔子さんは、淵上のロードワークにも付き合い、今回の防衛に一役買った。

　今後について淵上は「今年中に東洋王者の佐藤選手にチャレンジしたい。(8/6の氏家戦)試合を見て、なおさら挑んでみたくなった」と語り、アジア最強とされる東洋王者・佐藤幸治(帝拳)への挑戦を望んだ。
　安定王者となった"薩摩コング"淵上は、心強いパートナーを得て、アジア最強を目指す。