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[立ち話]2021.6.30

チケットを300枚売る4回戦ボクサー

 今年の東日本新人王フェザー級に参戦している渡邊海(18=ライオンズ)は、7月17日(土)に東京・八王子市富士森体育館で開催される「東日本新人王予選」で柿元蓮(24=ワタナベ)と対戦する。
 父でありトレーナーを務める渡邊利矢氏(54=元A級ボクサー)の影響でボクシングを始めた渡邊は、U-15全国大会を優勝しボクシングの名門、駿台学園で腕を磨き高校卒業後にプロデビューした。
 現在2戦2勝(1KO)の渡邊は、多くの応援団が駆け付け、次戦は300人の応援団が来るという。通常、新人ボクサーはファイトマネーだけで生活するのは難しく、アルバイトをしながら競技をしているが、渡邊の場合はボクシング1本で生計を立てている。
「応援団の期待に応える」
 毎試合、紫色の渡邊応援Tシャツを着た大勢の応援団の姿が印象的だ。「前戦は西側全席と南側席のほとんどが海の応援」(写真左:利矢氏)と渡邊の知人や会社を経営している父の知り合いなどが観戦に来ているという。
 渡邊は「4回戦ボクサーがどのくらい売れるのか基準がわからないのですが」と言うが、「次戦は八王子での開催で知人も来やすいので300枚は売れると思う」と自身の試合をホームにする。渡邊は「皆を楽しませる試合を見せたい」と意気込んだ。
前戦は初回KO勝ち
 6月5日(土)に行われたトーナメント初戦は右ストレート一発で初回KO勝ちした。「デビュー戦は緊張して力んでしまったが、前回の試合は力を抜いた状態で臨むことができた。ダウンを奪ったパンチは手応えがあった」と会心の試合を振り返った。
高校卒業後にプロの世界に
 兄2人と姉が1人という4人兄弟の末っ子の渡邊は、父に連れて来られて小学1年でジムに入門したが「自分には向いていない」とジムから足が遠ざかった。しかし、WBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級王者の井岡一翔(AmbitionGYM)の試合を見て小学2年で本格的にボクシングを始めた。
 小学生から出場しているU-15全国大会を4度優勝し、高校では国体に出場。しかし、コロナの影響で高校3年時は大会がすべて中止になった。「プロで勝負したかった」と声がかかったものの、大学には進学せずにプロへの道に進んだ。
ジム33年ぶりの全日本新人王を目指す
 激戦階級のフェザー級で勝ち上がっている渡邊は「得意の左で相手を嫌がらせて、決まった試合はすべて倒したい」とライオンズジムとしては植田龍太郎氏以来、約33年ぶりの全日本新人王を目指す。

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