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[記者会見]2021.4.26

西田凌佑「カシメロと戦いたい!」

 WBOアジアパシフィック・バンタム級新王者の西田凌佑(24=六島)が26日、大阪市内の所属ジムでリモート会見を開き、王座獲得の感想と今後の抱負を口にした。
 西田は、24日に沖縄コンベンションセンターで比嘉大吾(25=AmbitionGYM)に挑戦。元世界王者を攻略しデビューからわずか4戦目でタイトル奪取に成功した。西田と武市晃輔チーフトレーナーには、ジムからそれぞれファイトマネーとは別に報奨金100万円が贈られ、贈呈式も行われた。
 世界ランキング入りを確実とした西田は「WBO王者のジョンリエル・カシメロ(31=フィリピン)に挑戦したいか?」という問いに対し、「カシメロ選手は強いが、やってみたい気持ちがある」と意欲を示した。
 六島ジムは、世界ランキングに入り次第、各団体の世界王者にオファーをかけていき「海外での世界挑戦の可能性もある」と方針を示した。
作戦遂行能力の高さを見せた
 4戦目での地域王座獲得は、井上尚弥(大橋)や田中恒成(畑中)らと並び、日本人男子最速タイ記録となる。大仕事を成し遂げた西田は「勝てて本当にうれしい。お祝いメールが届いて、勝ったことを少しずつ実感している」と喜びに浸った。
 「比嘉選手は圧力が強くて、しんどい試合になった。ただ、自分が上の階級(スーパーバンタム級)で戦っていたからだと思うが、パンチ力はあまり感じなかった。疲れないので途中から前に出た」と試合を振り返った。
 西田を勝利に導いた"西の策士"武市氏は「自分が思い描いている想定の範囲以内で12ラウンドを終えることができた」と作戦がズバリとハマったと語った。
「チャンスがあれば世界に挑みたい」
 今後に関して武市氏は「まだ、ベルトを獲ったばかりなので何とも言えないが」と前置きした上で「大森選手(大森将平)や比嘉選手に勝ったので実力を証明したと思うが、まだ、4戦しかしていなく、周りから認められていない部分もあると思うので一つひとつ段階を踏んでいきたいと思う。ただ、もしチャンスがあれば積極的に上を目指していきたい」と世界戦も視野に入れている。
 田中恒成に並ぶ日本人男子選手タイ記録となる5戦目での世界王座奪取にも「すべてが経験になる。チャンスがあれば、世界チャンピオンとならいつでもどこででも誰とでもやります」と語った。
大舞台でも物おじしない強心臓
 西田の強みについて聞かれた武市氏は「たとえ、大舞台でも感情の起伏が少ないこと。相手が誰であろうとも良い意味で平常心でいること」を挙げた。
 試合当日、武市氏は同じ興行に出場する同門の峯佑輔(25)のバンデージを巻いていたのだが、西田は同じ控室で安眠マスクをつけて寝ていたという。西田は「アマチュア時代から緊張しない方だった」。
「さらに上を目指す」
 六島ジムのOBで、元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男氏は、現在近畿大学ボクシング部の監督を務めていて、西田は教え子にあたる。名城氏は、当時国内タイ記録の8戦目で世界王者に就いた。現地に応援に来ていた名城氏からも「よくやったな」と祝福された。
西田凌佑の次戦に期待!
 西田と武市氏は100万円を手にして思わず笑みがこぼれた。西田は「引っ越ししたので 家電を買いたい。残りは貯金したい」。武市氏は「妻に相談してから決める」と有意義に使うようだ。
 2019年5月にストロング小林佑樹氏(六島→引退)がWBOアジアパシフィック・バンタム級王座を獲得して以来、2度目となる100万円の報奨金を手にした武市氏は、5月19日(水)に日本王座に挑戦する日本ミドル級1位の国本陸(23)をチャンピオンに育て上げて、もう一度100万円をもらう約束をしていた。
 昨年12月に突如現れた関西の超新星・西田が、バンタム級の世界トップ戦線に名乗りを上げた。今後の西田から目が離せない!

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