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[引退発表]2021.1.26

日本王者の鈴木悠介が引退

 日本バンタム級王者の鈴木悠介(32=三迫)が網膜剥離を患ったため、25日付けで王座を返上し引退届を出したことがわかった。
 鈴木は、2019年7月に当時の王者齊藤裕太(花形→引退)に挑戦し大激戦の末、判定勝ちでタイトルを獲得。チャンピオンカーニバルで同級1位の澤田京介(32=JB SPORTS)を迎えて初防衛戦を行う予定だった。電話取材に応じた鈴木は、これまでの思いを口にした。
生涯戦績:14戦11勝(7KO)3敗
今はスッキリしている
 鈴木は「以前から右目の状態が悪く、復帰を目指して練習を再開したが、悪化してしまった。防衛してもう少し先を見たかったが…」と今月中に引退という苦渋の決断を下した。「辞めるか続けるかを悩んでいた時は辛かったが、10年にわたり怪我と向き合いながらやってきたことが終わったという意味で今は気持ち的に楽になった」と心境を語った。
齊藤裕太からベルトを奪取
 鈴木は、アマチュア78戦54勝(25KO)24敗の成績を残し、2012年10月にプロデビュー。5戦目でランキング入りしたが、なかなかチャンスに恵まない中で日本王座挑戦者決定戦を勝ち上がりついにベルトを巻いた。
ボクシング人生最高の日だった
 ベストバウトを聞かれた鈴木は、「タイトルを獲った試合です。自分の中では最低限のことは成し遂げられたと思う。応援してくれていた方々にベルトを見せることができて良かった」と、日本タイトルに挑戦した齊藤戦を挙げた。
 続けて「あの日が自分にとってボクシング人生で最高の日だったと思う。尊敬している自分のボス(三迫貴志会長)が喜んでくれたのが本当に嬉しかった」と、会長及び関係者に感謝した。
ボクシングに恩返しがしたい
 今後は2月に会社を設立し代表取締役として新たなスタートを切る。鈴木は「営業利益を安定させてから、ボクサーを後援したり受け皿となるような会社を作っていきたい。いずれボクシングに恩返しがしたい」と語った。
おつかれさまでした
 筆者は、今から5年以上前に初めて鈴木にインタビューした日のことを覚えている。真っすぐな目で「すぐにタイトルマッチをやりたい。2回目はないと思っている。決まれば一発で獲る」と強い口調でベルトへの思いを語っていた。タイミング的なこともあり、タイトル挑戦までに時間はかかったが、あの日の言葉通り日本王座初挑戦で戴冠した。
 これからの鈴木の活躍を期待している。本当にお疲れさまでした。

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