田中恒成がニエテスから弱点を伝授された!

　WBO(世界ボクシング機構)スーパーフライ級1位の田中恒成(25=畑中)が18日、名古屋市内の所属ジムで練習を公開した。
　田中は、大晦日に東京・大田区総合体育館で開催される「SANKYO Presents LIFETIME BOXING FIGHTS」でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31=AmbitionGYM)に挑戦。勝てば世界4階級制覇を達成する。
　新型コロナ感染対策のためリモートで会見が行われ、練習も映像により公開された。
　昨日、かつて井岡と拳を交えた前WBO世界同級王者ドニー・ニエテス(38=比)と畑中清詞会長が電話で1時間の会話をしたことを明かすと「井岡には2つの弱点がある」と伝授されたという。田中は「自分の考えていたこととリンクしているし、参考になった」と決戦2週間前に大きな収穫を得た。

　「過去最高の状態」と手応えを感じている田中は「井岡対策もバッチリ。様々なパターンを用意している。スピード、パワー、テクニック、そしてメンタル面でも負けていない」とニヤリとした。
　この試合に向けて関東に出稽古合宿を行った田中は、元WBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真(24=大橋)とスパーリングで手を合わせた。「普段なら絶対に当たるパンチが当たらず、その先もどうするかまでを考えさせてくれた」と話すと、「世代交代をしたいと思っている中で同年代(拓真)とスパーをして『やっぱり俺たちの世代は強い』と再確認できた」とさらに意識を高めた。

　大晦日のスーパーファイトが近づく中、ファンや選手や関係者が勝敗予想しているが真っ二つに分かれている。ボクモバ勝敗予想でも、18日の時点で完全に分かれていて、この試合の予想がいかに難しいかを物語ってる。
　そんな中、WBC世界スーパーフライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(30=メキシコ)は田中の勝利を予想しているということだ。それを聞いた田中は「この試合を勝ってエストラーダと戦いたい。エストラーダにも勝つ自信がある」と言葉に力を込めた。

　1年ぶりのリングに上がる田中は防御面でのレベルアップを強調した。「井岡選手は相当な覚悟でくると思うが、最後の1秒まで倒しにいく。当日は自分自身がどんなパフォーマンスをできるか楽しみだし、それを目に焼きつけてほしい」と勝利に自信を示した。

　会見に同席した畑中会長によると、田中と田中斉チーフトレーナーは12月4日と17日にPCR検査を受けて陰性結果だったことを発表した。11月20日から畑中ジムは選手と練習生は入室禁止にして、田中と関係者だけがジムに入れる状況にしている。田中もスタッフも自宅とジムの往復のみでコロナ感染対策を徹底している。
　畑中会長は「しっかりと集中して練習ができている。大晦日が非常に楽しみ」と田中の仕上がりに太鼓判を押した。

　会見後にはシャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちをそれぞれ2ラウンド披露。ジャブからワンツー、左フックといった基本的なパンチを打ち込んだ田中だが、下半身がさらに安定し、一発一発に力強さを感じさせた。
　ラウンド終了ラスト30秒を切るとギアを上げてスピードのある動きを見せた。画面越しに早送りかと思わせる素早い動きで調子の良さをうかがわせた。
　会見の最後に「明日の午前10時に、自分のYouTubeチャンネルで重大発表をしますので見てください」とアピールした。
　スーパーフライ級転向初戦で世界に挑む田中が大晦日の主役の座を狙う!