5連続KO中の松永宏信がV2戦で魅せた!

　日本スーパーウェルター級王者の松永宏信(33=横浜光)が3日、後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」のメインイベントで同級1位の清水優人(32=木更津グリーンベイ)を迎えて2度目の防衛戦に臨んだ。5試合連続KO中の松永が指名挑戦者を撃破したのか、それとも2度目の王座挑戦の清水が木更津にベルトを持ち帰ったのかーー。
　序盤は、距離の探り合いで静かなスタートとなった。

　サウスポー松永は慎重な試合運びを見せていたが、3回にギアを上げて右フックをヒットしペースを掌握。清水はシャープな右から切り込むが、松永は距離を詰めてワンツーを好打。松永はパンチを浴びて鼻を負傷したが、プレスをかけて攻め立てた。5回終了時の公開採点は50-45、49-46、48-47で松永がリード。勝負が決まったのは7回。松永は上下に打ち分けダメージを与えると左目上を切り裂き、最後は右フックでレフェリーストップに持ち込んだ。

　試合後に合同でのオンライン会見に臨んだ松永は「相手あってのスポーツなのでなんとも言えないが、納得はいっていない」と完勝にも苦笑いを浮かべた。理由を聞かれると、スピードを活かした縦横無尽な動きができなかったことを挙げた。
　松永は「前に出る戦い方はできれば選びたくなかった。自分に作戦遂行能力がなくて会長からも当初のプランを崩して前に出るように指示が出た。(清水選手は)特別やりずらさは感じなかったが、力みで距離が遠く感じた。パンチが効いているのは分かったが、踏み込めなかった」と反省の言葉を繰り返した。

　6連続KO勝ちで王者の強さを示したが、チャンピオンに浮かれる様子はない。「今日は勝ったことだけが収穫。場数を踏んでもっと経験を積んでいきたい」と具体的な目標は掲げず、さらなる強さを追い求める。